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第三者機関により効果と安全性が立証された各種抗ウイルス繊維製品を展開【株式会社マルゼン】

2020年 3月 5日

抗ウイルス加工のシーツ、ピローケースなどの寝具
抗ウイルス加工のシーツ、ピローケースなどの寝具は、全国の病院や介護施設で活用されている
製品名=作業療法支援装置「抗ウイルス繊維製品」

インフルエンザウイルス・ノロウイルスを1000分の1以下に減少

株式会社マルゼンの「抗ウイルス繊維製品」は、インフルエンザウイルスとノロウイルスの数を減少させる加工を施した繊維製品だ。2時間で繊維上にあるウイルスを1000分の1以下にするという効果があり、洗濯してもその効果が持続するのが特徴。素材は綿100%のもので、布団カバー、シーツ、ピローケース、マスクなど、抗ウイルス加工が施されたさまざまな繊維製品を提供している。

実は日本では2015年まで繊維製品の「抗ウイルス性」の定義はあいまいで、各繊維メーカーが個々に評価したものが市場に提供されていた。そこで同年、一般社団法人繊維評価技術協議会が、繊維製品における抗ウイルス性試験方法の国際基準・ISO18184に準拠した「SKEマーク」シリーズによる認証を開始。本製品は、この「SKE抗ウイルス加工マーク」の認証を受けたものだ。

第三者機関が高レベルの抗ウイルス性と安全性をチェック

「SKE抗ウイルス加工マーク」の認証を受けるには、ウイルスの減少に加え、毒性試験、変異性試験、皮膚刺激試験などをクリアする必要がある。この厳しい条件を通った同製品の開発は、毎年冬になると病院や介護施設などで起こりがちな院内感染対策のニュースをきっかけに、これらの衛生管理に貢献したいという思いからスタートした。

同製品では数種類の金属イオンとアミノ酸をブレンドしてつくった抗ウイルス剤に、抗菌剤を混合した独自の加工剤を製造。繊維に含浸加工を行うことで、洗濯を経ても効果がなくならない高レベルの抗ウイルス加工を実現している。

病院や介護施設、幼稚園、飲食店、宿泊施設での活用のほか、マスクなどへの展開も

抗ウイルス加工のマスク
使い捨てではなく、何度も洗濯して使える抗ウイルス加工のマスクも販売している

同社による抗ウイルス加工の寝具・カバー類は、医療関係卸会社を通して販売され、全国の病院・介護施設などで広く導入。特に無菌室やICUなどでの利用が多いという。加えて、幼稚園や給食センター、食堂、レストラン、ホテルなど、ウイルス対策が求められる施設での活用も想定されている。

同社はこの分野における開発を、今後も継続予定。メーカーとの共同開発にも意欲的で、繊維以外での抗ウイルス研究を望む企業などがあれば協働も考えているという。

取材日:2019年12月9日

企業データ

企業名
株式会社マルゼン

寝具を中心とした繊維製品を主軸に、介護用品、インテリア用品も手がける栃木県の繊維製品メーカー。1961年創業。他社ではできない製品開発を目指し、抗ウイルス性生地や防炎生地を用いた寝具、特殊な方式で製造されたウレタンによって低反発を実現したマットレスや枕など、独自の付加価値を持つ製品を提供している。