コロナ禍でがんばる中小企業

オンラインツアーで新規顧客を獲得【いただきますカンパニー】(北海道帯広市)

2020年 11月 6日

長靴を履いて農場を見て回る
長靴を履いて農場を見て回る

1.コロナでどのような影響を受けましたか

今年の菜の花ピクニックは中止になった
今年の菜の花ピクニックは中止になった

いただきますカンパニーは、北海道十勝の広大な農場を農家に代わって畑ガイドが案内する農場ピクニックや農場観光ツアー、企業や農協からの協賛で小学校に無料出前授業を提供する食育事業、畑ガイドの人材育成事業などを行っている。

毎年春と秋は東南アジアからのインバウンド客、夏は首都圏からの家族連れ客でにぎわっていたが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大でツアー参加者が激減。前年に約2500人を数えた観光客数は500人と5分の1に落ち込んだ。

農家の畑を借りてツアーを実施している関係上、万が一、参加者などから新型コロナウイルスの感染者が現れると風評被害を受ける。4月末の段階で、例年5月から実施しているツアーを断念し、7月17日まで休業することを決断した。

2.どのような対策を講じましたか

オンラインツアーの様子
オンラインツアーの様子

再開後は、北海道が掲げた「新北海道スタイル安全宣言」に沿ってスタッフのマスク着用や小まめな手洗い、健康管理の徹底、施設内の定期的換気や設備・器具などの定期的消毒・洗浄など、安全安心なツアー運営を心がけた。

あわせてオンライン会議ツールZoomを使い、現場の様子や生産者とのリアルタイムでの交流をライブ配信で楽しんで頂くオンラインツアーや、収穫作業を見学頂いたうえで、トウモロコシ、ジャガイモ、ナガイモなどの収穫物を自宅にお届けするオンライン収穫体験を実施し、5月から9月末まで計24回、178名にご参加いただいた。

オンラインツアーの情報を共有するFacebookグループを作成したところ、約400人の参加を得て関心の高さを感じた。約40社の道内事業者と共同でYouTubeチャンネル「WE LOVE HOKKAIDO」も立ち上げ、各事業者それぞれのツアーを紹介し、北海道の魅力を配信。オンラインツアーならではの価値創造を模索した。

これらの取り組みで、これまで少なかった道内からの参加者や、旅行会社の社内研修での利用など新たな需要を獲得し、観光客数を前年比50%程度に抑えることができた。新しいお客様とかかわることでスタッフも仕事へのモチベーションを向上させている。

3.今後はどのように展開していく予定ですか

ツアーでは笑顔が広がる
ツアーでは笑顔が広がる

オンラインツアーは大学のゼミや企業研修のほか、高齢者福祉施設や障害者福祉施設に入居されている方など、新しい顧客層の発掘と展開が期待できる。前にリアルツアーに参加された方も参加できるし、リアルツアーへの参加意欲も高まる。

コロナで観光業は不要不急の平和産業であることを思い知らされたが、深刻な影響のある時期を過ぎてしまえば、癒しや学びにつながる人間にとって必要不可欠なサービスであることも実感した。今後も災害等が起こる度に大きな影響を受けることになるだろう。

こういったリスクを踏まえて事業を継続できる仕組みを考えていく必要がある。観光業だけで良いのか、他の事業を組み合わせていくのか、どのような体験型観光事業であれば今後も継続していけるのか、マーケットの状況や自社のポテンシャルを鑑みて慎重に判断していきたい。

企業データ

企業名
いただきますカンパニー
Webサイト
設立
2013年5月20日
代表者
井田芙美子 氏
所在地
北海道帯広市西12条南29丁目2-5
Tel
0865-44-2215

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