フルスロットルは、香川県西部の西讃エリアで二輪車の販売・整備や四輪車の車検整備を行う従業員4人の企業だ。2014年に友枝正千(まさち)が先代社長で実父の茂弘から事業承継した。主要事業の二輪車販売は、若年齢層の二輪車離れや同社が提携する二輪車メーカーの販売網見直しなどで売り上げが減少しており、新たな事業創出が課題だ。香川県よろず支援拠点に相談するなど対応を模索していた。
当社の近隣には、潮だまりの水面が鏡状になり、ボリビアのウユニ塩湖のような写真が撮れる三豊市の「父母ヶ浜(ちちぶがはま)」や、山頂に位置する本宮から瀬戸内海が一望できる高屋神社の「天空の鳥居」など近年インスタグラムなどで話題を集める絶景の場所がある。外国人観光客や首都圏・関西圏をはじめ県内外からの観光客が急増していたが、空港や鉄道の最寄り駅から目的地への便が悪いのが難点だった。
こうしたニーズに対応するため、3年前から排気量50ccの原動機付き自転車を中心に10台弱のバイクを高松空港や高松丸亀町商店街などに配備し、観光客へのレンタルバイク事業を本格展開した。ヘルメットや保険などが付いてレンタル料金は1時間500円から、別料金で県内の乗り捨てやバイクデリバリーも可能という便利さが奏功し、毎月平均20万円ほどの売り上げを計上していた。
ところが2020年4月の新型コロナ感染症による緊急事態宣言の発令にともなう移動自粛で、国外はもとより、県外からの観光客が激減。レンタルバイク事業の顧客が地域内で回遊することによる地域住民への感染不安もあり、積極的なPRも控えなければならない状況になってしまった。