コロナ禍でがんばる中小企業

顧客の立場で支援すれば将来の収益に【株式会社琉球オフィスサービス】(沖縄県浦添市)

2020年 7月 20日

琉球オフィスサービスの藤本和之代表取締役(45)
琉球オフィスサービスの藤本和之代表取締役(45)

1.コロナでどのような影響を受けましたか

沖縄県内の中小企業向けにホームページの制作代行、PCレンタル、グループ会社によるファイナンスなどを提供している。主力のホームページ事業は無料で制作し、更新を原則即日でスピーディに行う代わり、毎月7900円(税抜)の定額を課金するサブスクリプション制を取っている。独自ドメインの維持費用、サーバー代金、更新費用などすべてコミで、余計なコストがかからない安心の定額制だ。設立10年目で申し込み実績は5000社、解約率1%以下と高い顧客満足度を誇り、2019年度の売上高は前年比48%増、利用者数も38%増と業績堅調だった。

だが新型コロナウイルスによる経済活動の停滞で営業もままならず、今年3~4月の受注数は前年同期間の平均に比べ約4割減少した。定額制なので受注減ですぐに売り上げが下がるわけではないが、なかには毎月の料金支払いすら難しいユーザーもあった。沖縄の企業は中小・小規模がほとんどだから、コロナの影響で売り上げが9割以上減り、事業遂行もままならない企業が珍しくない。

2.どのような対策を講じましたか

スタッフとの打ち合わせ
スタッフとの打ち合わせ

毎月の支払いが難しい顧客にはヒアリングをしたうえで支払いを数カ月猶予した。猶予期間が終了しても状況が改善しないなら契約解除でもかまいませんとも話してある。当社のようなサブスクリプションビジネスはユーザーサポートを充実させて顧客満足度を上げ、できるだけ長く使ってもらうことが一番重要だ。顧客の立場で提案し支援することが将来の収益につながると思っている。

プラスの側面もある。ホームページ制作業務はテレワークが可能なので外出自粛期間中は約40人の従業員の7割がテレワークに移行した。外部との打ち合わせもWeb会議システムを使った。いまは全員出勤しているが、テレワーク試行を経験したおかげで、これから感染第2波が来ても、何をどうすればいいかという知見を得られた。

3.今後はどのように展開していく予定ですか

顧客ホームページの制作も笑顔で
顧客ホームページの制作も笑顔で

関西出身で、2006年からOA機器販売の上場企業で沖縄支社立ち上げを任された後、この地に骨をうずめようと2010年に起業した。沖縄では全体の6割もの企業がホームページを持っておらず潜在顧客が多いし、島しょ部で地理的に商圏が区切られているため競合大手が参入しづらい。ニーズがあるのに手つかずのマーケットがあり、激しい競争になりづらい。ここでWeb制作会社をやれば伸びると確信した。

準備したのは自己資金2000万円と借入金2000万円の計4000万円。黒字化するまで3年間は自分の給与なしで苦労したが、設立10年目の今、従業員に平均以上の給与を支払い、早く帰ってもらい、休みも十分取ってもらいつつ、なんとか利益も出せるようになった。今後もスタッフとその家族が当社で働いてよかったと感じてもらえる労働環境を整備していく。

従業員に気持ちよく働いてもらうことで沖縄県内情報関連企業の中で最も良いサービスを提供し、顧客に喜ばれつつ強い収益力も実現したい。経済活動では収益力が通信簿だ。やるからには良い成績をとってトップになりたい。

だが、スタッフや顧客にとって良い会社というだけでは企業は生き残っていけない。社会貢献の一環で、県内4カ所の児童養護施設のホームページ運営を無償で行っているし、年数百万円規模の卒園者の家賃支援も行っている。

グループ会社では地元中小企業がエクイティやファイナンス技術を利用しやすくなるようファンド設立や中小企業の自社株流動化に取り組んでいる。大企業に比べ中小企業は資金も人材も技能も足りないが、財務やIT技術などは外部の人材をうまく使えば回る。そのお手伝いをしたいと思っている。

企業データ

企業名
株式会社琉球オフィスサービス
Webサイト
設立
2010月4月22日
代表者
藤本和之 氏
所在地
沖縄県浦添市牧港4-11-3おきでん牧港ビル3F
Tel
098-894-6900