「事務機器のイシマル」から「IT・DXのイシマル」への脱皮を進める同社の新しい姿を具現化したのが、2021年の本社リニューアルで登場した「働き方研究所」だ。自社オフィスにDXを導入し、日々の業務の中で実践している。なかには、導入したシステムやソフトがうまく機能しなかったケースもあるが、「自分たちが直面した課題を解決することで、顧客に対して、より実践的で有用性の高いソリューションを提案できる」と石丸氏は話す。
DXだけではない。その名が示すとおり、働き方の実験場でもある。リニューアルに向けて2018年にスタートしたプロジェクトでは、時間や場所に縛られないワークスタイル、誰とでも仕事ができるワークプレイスの創出を目的にABWの考え方を導入し、社員の働きやすさを追求した。また、社員の意識改革や社内の雰囲気づくりを進めるため、労働組合と連携し、労使双方が参加する衛生委員会が残業の多い部署に働きかけるなどして働き方改革を遂行。その結果、月平均20時間あった残業時間は13時間ほどになり、年次有給休暇の取得率も目標としている50%を大きく上回る78%に向上した。総務部(人事労務担当)主幹の平正生氏は「オフィスのリニューアルというハード面の変化をきっかけに社員の意識が変わり、今では午後7時までには帰るようになっている」と改革の進行ぶりを説明する。
働き方研究所は2022年、快適・機能的で創造性を高めるオフィスを表彰する「日経ニューオフィス賞」で九州・沖縄地域の奨励賞を受賞した。