辻氏は植物工場を事業化するために2006年に滋賀県長浜市に「日本アドバンストアグリ」という会社を設けているが、バタフライピーのビジネスをこの会社を中心に事業を展開。ツジコーがバタフライピーの着色料などを製造し、日本アドバンストアグリが食品の開発や販売を担う体制で事業を展開している。
滋賀県中小企業家同友会の新産業創造委員会のメンバーでもある辻氏。地元中小企業とも幅広く交流している。2021年からは、地元の企業や飲食店などと連携して琵琶湖をテーマにした「びわ湖ブルー」プロジェクトをスタートさせた。「青」をテーマに滋賀県の企業や飲食店が新たな商品やメニューを提案。ごはんを青く色づけし、まるで琵琶湖のように盛り付けられたカレーライス、青いチョコで色付けされたマウントケーキ、ブルーハワイのような青い吟醸酒…。バタフライピーを使った地域ぐるみの町おこしに一役買っている。
希少価値の高い天然由来の「青」は、海外でも大きな関心を集めている。
2018年にドイツの展示会に、この着色料を出展すると、ブースは海外企業のバイヤーたちで人だかりができるほどだったという。「もともと『青=幸福』のイメージを持っている国の人たちなので、この青を見てすごく驚いていた」と辻氏は振り返った。現在、海外の食品管理当局にも天然の食品原料として使用できるよう申請中で、海外企業との商談も同時進行している。
原料となるバタフライピーを安定的に生産するため、ツジコーは、タイとラオスの農家と契約し、タイに70ヘクタール、ラオスで10ヘクタールの農地を確保している。安全安心な天然の着色料を生産するため、栽培は完全無農薬・無化学肥料で行われている。
今年11月からタイにバタフライピーのパウダーを製造する工場を稼働させる。新型コロナウイルスの感染拡大で海外への渡航が制限され、事業は足踏み状態だったが、制限の緩和で大きく一歩前進した。「今度稼働するタイの工場は農園のすぐそばにあり、新鮮な花で青いパウダーを製造することができる。原価も安く、生産ができるようになる。これからはコストを追求していきたい」と力強く語った。