同社の活躍推進支援策は女性だけが対象ではない。社内には男女共同参画委員会のほかにも部署を横断した委員会が13ある。「1人1研究委員会」は、業務にかかわることでも個人的に興味のあることでもなんでも自由に楽しく発想してアイデア出し競争を進めているし、「シスター&ブラザー委員会」は新人が早く会社になじめるよう活動している。
全員活躍経営のポイントは社長の率先垂範だ。「うちは性別、年齢、学歴、国籍、障害の有無にかかわらず実力のある人が昇進する実力主義。人任せにしていたらうまくいかない。社長がリーダーシップを取り、目標を明確化し、推進するための組織をつくること」と斉之平氏。
それを「見える化」したのが、同社の「会社手帳」だ。経営をガラス張りにするため、全従業員に配布しているシステム手帳型の事業計画書で、企業理念、財務数値、人事考課、年間スケジュールが記され、社員個人の長所や短所、有休休暇取得計画や目標を書き込む欄もある。1ページ目は社長の手書きメッセージだ。「いつもありがとう」「感謝しています」など全従業員ひとりひとりに呼び掛けている。「指にマメができるが、毎年の恒例」と笑う。
事業は堅調だ。社長になってから31年間赤字なし。リーマンショックの不況時も増収増益だった。従業員40人前後だった小さな米菓メーカーは、いま子会社を含めた売上高が約30憶円。経済産業省の「ホワイト企業—女性が本当に安心して働ける会社」「APEC女性活躍推進企業50選」(日本企業は5社)に選出され、斉之平氏は男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、埼玉県の渋沢栄一賞など各賞を受賞している。