これに対し、経営資源の選択と集中を検討。その結果、14年に千葉、長野の両支店を閉鎖し、事業活動エリアを福島県と隣接県(茨城、栃木、群馬、山形、新潟、宮城)および埼玉県に絞ることを決めた。遠方の業務については自前の車両・運転手を使わず、他社に業務を委託。また運転手個々が自分専用の車両を運転する〝持ち車〟を廃止し、乗車車両を変動化することで業務量を平準化させた。
受注活動も選択と集中を実施。顧客を開拓する新規営業を全面的に停止し、営業担当者に「粗利を20%以上確保できない案件は無理に受注しない」ことを徹底した。その代わりに自社のホームページを全面的に刷新。「現在ではネット経由で着実に新規顧客が増えている」という。また自社が得意な業務・サービスに特化し、不得意な分野・サービスは協力会社に外注することにした。
事務処理は徹底してIT化を進め、紙にあふれていたスチール製デスクや、膨大な書類が詰まったロッカーなどを廃棄した。その上で事務所のレイアウトを変更し、複数人が座れる変形デスクや立ったまま仕事ができるスタンディングテーブルを配置し、有効スペースの活用と明るく働きやすいオフィスに衣替えした。
この結果、14年3月期は2.3%だった営業利益率は、15年3月期に6.1%、16年3月期は8.7%、17年3月期は10.3%と急激に上昇。18年3月期は9.5%、19年3月期は9.6%と安定した収益構造を実現している。
運転手の月平均労働時間も、16年3月期は241時間だったものが、17年3月期は225時間、18年3月期は211時間、2019年3月期は204時間と年を追うごとに減少。事業エリアの縮小により、例えば運転手1人で1日に1カ所しか行けなかったケースが、2カ所に行けるようになった。営業担当者は新規営業に関わる訪問・移動がなくなり、事務担当者は事務書類と事務処理作業が大きく減少。結果的に労働時間の削減を実現した。