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ほぼ完全非接触で運用に人手がかからないタブレットによるAI顔認証体温測定を実現【株式会社アクシス】

2020年 12月 10日

AI顔認証体温測定タブレット対応「インターフェイス拡張ボックス」
AI顔認証体温測定タブレットによる体温測定と本人確認が非接触で行える
製品名=AI顔認証体温測定タブレット対応「インターフェイス拡張ボックス」

タブレットによるAI顔認証体温測定をセルフで

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、AI顔認証体温測定タブレットに遭遇する機会は飛躍的に多くなった。非接触で瞬時に高精度の体温測定が可能になるこのタブレットの課題は、多くの場合、実運用にあたっては人手に頼らざるを得ないという点。せっかく非接触のツールであるにも関わらず、セルフによる対応の実現は困難という矛盾を抱えていた。

株式会社アクシスが開発を進めているのは、既存のAI顔認証体温測定タブレット「Face Plus AIサーマル検知システム」(iFLYソリューションズジャパン株式会社開発)に接続することで、ほぼ完全にセルフでの体温測定と本人確認を実現する「インターフェイス拡張ボックス」だ。来場者がタブレットで体温を測定すると、写真(モノクロ)、時刻、体温、必要に応じて二次元コードなどを専用のラベルプリンターで出力。このラベルを受付に提出するといった入場方法を採用することで、検温の省人化と確実な本人確認が可能になる。

直感的に扱えるユーザインターフェースにこだわった仕様

AI顔認証体温測定タブレット対応「インターフェイス拡張ボックス」
初めて利用する人でも操作に迷わないユーザインターフェイスを実現

同製品は、QRコードリーダなどが内蔵されたユニットボックスと、ラベルプリンタで構成。仕組みはシンプルだが、セルフ化を実現するため、システムの開発企業と連携して音声や画面、ランプなどを活用したガイダンス機能を搭載するなど、来場者が違和感なく直感的に使用できるユーザーインタフェースにこだわっている。

また、ホテルや病院、ゴルフ場、飲食店、映画館、各種イベントなど、不特定多数の来場が見込まれる場合は、顔認証および本人確認なしでの検査・出力も可能。使用目的に適したモードをユーザー自身で設定できるような仕様を構築中だ。

製品化後もさらなる付加価値を追求

現状は試作の段階であり、「導入・保守のフォロー」「設置環境や気温、天候等の外的要因による検温精度の向上」「複数台を一括管理する仕組みの構築」「ICカードやアルコール消毒との連携」など、試作機のユーザーから届いた要望を反映できるよう、さらなる改良やサービス拡充の検討に励んでいる。製品化後も、非接触型手指用アルコール製剤自動噴霧器との連携や対応可能なタブレット端末の拡充など、さらに付加価値を高めて行きたい考えだ。

これから本格化するWithコロナの時代。「非接触」に対する社会からの要求はますます高まるとともに、同じ空間に居合わせる人たちの健康状態を把握することがマナー化していく可能性もある。そんな時代の実現に貢献する同製品の活かし方を考えることが、新たな時代を生き抜く自社のブレークスルーにつながるかもしれない。

取材日:2020年10月30日

企業データ

企業名
株式会社アクシス

1990年設立。電力会社の設備管理、保守・点検等のシステム開発を約30年継続。そこで培った地理情報システム(GIS)や位置測位等の知識とノウハウを、近年、IoTや認証など別の領域にも展開。現在は、「インターフェイス拡張ボックス」のほかに、IoT製品「BambiD」のアプリ開発も手掛ける。