コロナ禍でがんばる中小企業

鉄加工技術活かしアウトドア用品を開発・販売【株式会社興栄企画】(香川県丸亀市)

2021年 7月 20日

新規事業で開発した「持ち運べる焚き火装置」
新規事業で開発した「持ち運べる焚き火装置」

1.コロナでどのような影響を受けましたか

発端は造船修理業
発端は造船修理業

香川県丸亀市を拠点に船舶製造修理や金属加工、各種プラント工事を行っている。2008年に起業し、船舶造修業として、大手造船所の一次受けで船舶の製造修理業を始めたのが発端だ。その後、鉄を切断・溶接する技術を活かすため鉄工所を三ヶ所作り、プラント関係の仕事や鉄骨を使用して倉庫や工場・ビルなどの建設現場で設計製作をする仕事をやってきた。

船舶製造修理も金属加工も建設設計も原点はモノづくりだ。作ることに意義を感じ、作るモノや技術の頂点を目指している。ところが、コロナ禍の影響で受注が減り売上が大幅に減少、自社設備の活用はもちろん、55人いる従業員の雇用維持にも不安を覚える事態になった。船舶製造修理は造船業の構造不況もあり年々受注が減っていたところへコロナ禍が追いうちをかけ、2021年6月末現在も売り上げは前年同月比の30%減、建設設計も同30%減、金属加工は同10%減にとどまっている。

2.どのような対策を講じましたか

鉄の加工技術には自信がある
鉄の加工技術には自信がある

自社の溶接や鉄加工の技術を活かせて、従業員の雇用維持もできる新規事業はないか。模索するうち浮上したのが社長自身の趣味であるアウトドアだった。趣味が高じて2008年に完全子会社「株式会社ライズエンジニアリング」を立ち上げ、アウトドア関連用品の試作を始めていた。コロナ禍でアウトドアブームは徐々に盛り上がりを見せている。それまで企業向けのB to Bの仕事が中心で、アウトドア製品を作り一般消費者向けに販売するB to Cの仕事は初めてだったが、思い切ってやってみようと2018年に自社ブランドを立ち上げた。

ブランド名は「THE IRON FIELD GEAR」、「鉄を用いてアウトドアフィールドにおける全く新しい道具を創造する」がコンセプトだ。長年造船や建築などで培ってきた鉄鋼分野の技術を活かし、これまでになかったアウトドアアイテムを生産・販売する。専属スタッフ4人に本社の事業部門からの応援を加えて、受注から発送作業まですべてを自社で完結することにした。

新ブランド初の販売は2018年11月、焚火ストーブ「TAKI BE CAN(たきびーきゃん)」だった。ガラス扉付きの「持ち運べる焚き火装置」で、アウトドアキャンプに不可欠の焚火を安全で使い易くした。近くに置いても火の粉が飛び散る心配がほとんどなく、庫内の網上や本体上部で調理もできる。発売後、地元の丸亀市飯綾商工会がイベントで使ってくれたり、アウトドア専門誌などが取り上げてくれたりして認知度が徐々に高まり、取扱店舗での販売のほか、オンラインでの直販も好調に推移した。2020年9月決算ではTAKI BE CANをはじめとしたアウトドア用品の売り上げが5000万から6000万円になる見込みだ。

3.今後はどのように展開していく予定ですか

建設設計も事業の柱だ
建設設計も事業の柱だ

モノづくりでは、元々あるものをコピーして作るのではなく、自身の経験上こんなものがあったら良い、こういう機能があったら良いなという部分を常に意識してきた。

このスタンスはアウトドア用品でも変わらない。今後も、薪を簡単に割れる道具や、手軽に焚き火が出来るウッドストーブ、焚き火の熱源を使って発電し、その熱を利用してお湯を安定的に供給できる仕組みなど世の中にないものを作っていきたい。オートキャンプ場など利便性のある場所に人が集中し過ぎないように、何もない場所でも楽しくキャンプができるような商品も開発していきたい。

もちろん船舶製造修理、金属加工、建設設計という本業の3本柱にも引き続き注力していくつもりだ。

企業データ

企業名
株式会社興栄企画
Webサイト
設立
2008年10月8日
代表者
森山竜志 氏
所在地
香川県丸亀市飯山町川原1838番地
Tel
0877-98-7797