次の挑戦は、新たな二次元コードの開発
これまでの技術集積から、同社は現在、IoTCodeソリューションの開発を進めている。この事業は、二次元コード開発に詳しい東京工科大学などの大学や企業、さらに印刷関連で高い技術を有する企業などと連携している。これは、同社にとって産学共同開発という初めての挑戦だ。
二次元コードといえばQRコードが有名だが、同社のIoTCodeは3つの新たな特徴が加えられている。
カラー化で大容量になったIoTCode
①大容量:既存の二次元コードは白黒2色だが、IoTCodeは8色。データ容量は約10倍の大容量化
②秘匿性:情報を暗号化し、パスワードを知る人だけに情報を開示する「秘匿性」という考えを導入
③互換性:IoTCodeは専用のIoTCodeリーダーで読み取るが、既存の二次元コードリーダーでも、その出力範囲で読み取りが可能
同社はまず、大容量という特徴を生かして、「しゃべるシリーズ」ソリューションを展開している。冒頭にある「しゃべる名刺」は、IoTCodeリーダーにかざすと、音声や動画でメッセージを伝えることができる。自己ブランディングや他社との差別化を模索する起業家やフリーランスなどに好評を得ている。
IoTCodeリーダーでスキャンすると、名刺にある情報はすべてスマートフォンなどに読み込まれ、クリックするだけで連絡帳ファイルなどに登録できる。「デジタルデバイスと直結できる名刺」として、すでに、ECショップなどで販売している。さらに、「しゃべるパンフレット」や「しゃべる招待状」など、新たな展開も模索中だ。
次に、秘匿性という特徴を生かして、「商品トレーサビリティソリューション」に注力している。これは経済産業省の平成30年度予算から「商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)」に採択された。 トレーサビリティの各段階にパスワードを付与することで、開示する情報と秘匿する情報を区別することができる。
さらに、「商品真贋判定ソリューション」では、暗号化されたIoTCodeとコピーされたIoTCodeを、スマホまたは専用のリーダーが識別する。利用者はIoTCodeをリーダーにかざすだけで、ニセモノを容易に見破ることができ、偽造品・模倣品対策として、活用用途は広い。
商品真贋判定ソリューション
これらはコンサルティングを含めたソリューションとしての販売や、IoTCodeの特許ライセンス料収益を見込んでいる。IoTCodeの生成や読取りは、ほかの二次元コード同様、無料で提供するため、安価で確実な方法として中小企業などにも導入が進むだろう。
株式会社IT働楽研究所 新事業統括 平岩賢志氏
多角展開の中心には、IT技術の蓄積がある
同社は、ヘルスケア事業やIoTCodeソリューション事業のほかに、2014年には、 MyanmarDRK Co., Ltd(ミャンマー働楽)を設立した。ミャンマーの人を採用し、日本語やIT技術を教育。ミャンマー国内でのオフショア開発や、来日して働楽グループや他の企業に就職する人などの支援を行っている。
多くの事業を多角的に展開している理由を尋ねると、同社の新事業統括である平岩賢志氏はこう答えた。「そもそも、私たちはIT技術者の集団です。これまでに培ってきたIT技術を活用して事業を展開しているだけで、どれも“根っこ”は同じ。これからも変わらず、IT技術の活用を進め ていきます」