同社には、社会情勢の変化に対応するため、技術革新によって主力事業を転換してきた歴史がある。8ミリ交換レンズの製造などからスタートし、70年代後半には8ミリフィルム編集機の開発・製造で世界のトップシェアを獲得。90年代に入ると、フィルムタイプのコンパクトカメラのほぼすべての大手メーカーからOEMを受託したことにより、生産台数で世界一になった実績がある。
以降は、カメラのデジタル化に伴い、主力事業を医療・美容・工業など様々な分野向けの特殊スコープの開発・製造・販売に移し、現在の体制を確立した。
今では映像機器部に、自社製品の海外展開を推進する貿易部と、コンパクトカメラの工場跡地に建設した自社所有のマンション、ショッピングセンターなどを賃貸・仲介・管理する不動産部を加えた3部体制に拡張して経営している。
カメラ生産で培った合理化技術と品質管理体制を導入し、大規模栽培施設で年間800トンのトマトを生産・販売する別会社GOKOカメラ株式会社を加えたGOKOグループは、創業以来、無借金のまま自己資本比率98%を維持しているという。
現在の代表取締役社長は、2015年12月に就任した正代表取締役会長の孫娘 後藤友子氏で3代目だ。2代目を務めた母 佳子氏(現・GOKOカメラ代表取締役社長)の跡を継いだ。低迷したことのない企業の経営を引き継いだ理由と心境をこう語る。
「03年に慶應大学を卒業してすぐ入社した。祖父を見て育ち、その仕事をサポートする母の様子も間近で見ていたため、私もGOKO映像機器に貢献したいと思っていた。経営者がすべての意思決定と実行に深く関与する中小企業の経営は簡単ではないと知っていたが、祖父が築いてきた会社を継ぐ者として、社の内外に恥ずかしくない社長になると心に決めた」
自らも商談や市場調査の最前線に立って顧客のニーズを深耕し、新たな製品開発に反映することで顧客の課題を解決する方針だ。近年は、皮膚の上から皮下毛細血管を傷つけずに赤血球や白血球の動きを鮮明に観察できる手のひらサイズの超高倍率スコープ「GOKO Bscan-Z」を主力機器の1つに据えている。
すべて自社開発したオプションも多品種におよぶ。中でも「GOKO Bscan-Z」が捉えた毛細血管の流れを高精細に分析できる流速計測ソフト「GOKO-VIP」および「GOKO Bscan-Z」を片手でも操作しやすくする「カメラハンドグリップ」という2種類のオプションは、多くの医療従事者の好評を得ている。特に流速計測ソフト「GOKO-VIP」は、元々ハードウエアメーカーである同社がアルゴリズムから開発した力作だ。