重度肢体不自由者の働くチャンスを広げる就労支援事業に力を入れている。昨年3月の第3回アトツギ甲子園で新規事業としてピッチを行い、優秀賞を受賞した。当社はこれまでアシスティブ・テクノロジーに取り組み、その結果、重い身体障害があってもできることが増えてきた。次に、そうした「できること」をどう社会の中で発揮していくのか、社会や経済の一員として参加していくのか、を考えた末にたどり着いたのが就労支援事業という結論だった。
日本にはすでに多くの就労支援事業所があるが、重度肢体不自由者が利用できるところはほとんどない。その理由は(1)決まった場所に通わなければいけない(2)手作業や単純作業が多くマッチする仕事がない—ということだ。このうち通所については、コロナ禍を経て就労支援でもテレワークが認められる土壌ができていた。また仕事のミスマッチについては、当社のATによってパソコンの操作環境をつくり、ITを利用した仕事ができると考えた。
そして昨年12月に就労継続支援B型事業所「テクノベース」をオープンした。運営は、株式会社LITALICO(リタリコ、東京都目黒区)との共同出資で設立した子会社が行っている。オープンからまだ半年だが、すでにいくつか実績が生まれている。たとえば、テクノツールでゲームの入力支援をした神経難病患者の男性が就労を目指してテクノベースを利用しており、就労適性が高いため一般就労を目指して支援を続けている。また、iPadの操作支援をした特別支援校の生徒がテクノベースで実習を受けた。このほか、地元・横浜市や開所候補地であった川崎市の支援機関とは、開所後に見学に来てくれたり、利用候補者の紹介・受け入れの連携をしたりと協力関係が続いている。現在、障害のある人がテレワークでできる仕事を共に創るパートナー企業を募集している。