応援士に聞く

航空機産業支えるQCD向上力【ミツ精機株式会社(兵庫県淡路市)代表取締役社長・三津千久磨氏】

中小機構は昨年度から中小企業・小規模事業者の活躍や地域の発展に貢献する 全国各地の経営者や支援機関に「中小企業応援士」を委嘱している。どんな事業に取り組んでいるのか、応援士の横顔を紹介する。

2021年3月1日

工場内観
工場内観

1.事業内容をおしえてください

三津千久磨社長
三津千久磨社長

航空機・宇宙機器部品や医療機器部品、舶用機器部品などの精密加工・生産を受託している。資材の調達・工程の管理から、仕上げ・組立工程ならびに納品前検査まで一貫して行うワンストップ生産体制で操業している。

2.強みは何でしょう

厳正な検査体制
厳正な検査体制

1/1000の精度を誇る高性能最新鋭設備を備え、高い技術レベルの加工依頼に応じている。0.05グラムの超軽量精密部品から、1トンにも及ぶ重量級の部品まで加工できる生産技術力を持つ。

5軸MC(マニシングセンタ)機・複合加工機をはじめ、工具研削盤など130台以上ある機械は、すべて厳格な基準で操作している。品質マネジメントシステムを構築し、操作に高度な技術を要する機械をどの技術者にも安定的に任せられるよう、業務の標準化にも取り組んでいる。技術者の国家技能検定取得率は、77%の技能集団だ。

主力としている航空宇宙機器部品は、QCD(品質・コスト・納期)に加え、トレーサビリティ(追跡可能性)まで高いレベルで要求される。管理体制は、生産・品質ともにしっかり整備している。

3.課題はありますか

熟練技術者の目が光る
熟練技術者の目が光る

航空機関係事業の顧客である大手企業は、サプライヤーに極めて高い「技術力」「管理能力」「設備投資能力」を求めている。この厳しい要求水準と評価に耐えうる総合的な対応力の醸成と向上が必要だ。

当社は、極めた技と経験、五感を駆使し、NC(数値制御)旋盤・マシニングセンタをはじめとする工作機械の潜在能力をすべて引き出せる技能者と、顧客の要求するQCDを満たす管理者を育成している。

しかし、昨年来の新型コロナウイルスの影響で、世界の航空機産業は大変な苦境に置かれている。需要が2019年レベルに回復するには、数年を要すると考えられている。

コロナ不況を生き抜くためには、これまで以上に人材育成が重要となる。従来と異なる発想で仕事に取り組める人材や、新たなニーズに対応して自律的にマネジメントできる人材の育成が急務だ。

4.将来をどう展望しますか

切削風景
切削風景

かねて進めていた戦略的な設備投資の効果で、19年は08年のリーマンショック時の2倍以上の売り上げを計上した。この実績を揚力として、日本の航空機産業を支える重要なサプライヤーとしてのポジションを確立したと自負している。

「技術力」「管理能力」「設備投資能力」の向上に引き続き努め、日本の航空機産業の発展に貢献することで、当社のプレゼンスをさらに引き上げていく。

5.経営者として大切にしていることは何でしょう

不況時には、自社工場の稼働を維持するため、パートナー企業に依頼している業務を内製化しようとするのが一般的だ。

当社のパートナー企業は、当社と同じ地域で操業している。当社は不況になってもパートナー企業の役割を変えない。こうすることで、パートナー企業は安定した生産体制が、当社はQCD管理体制がそれぞれ維持できる。よって、当社は地域経済社会と共存できることとなる。

企業データ

企業名
ミツ精機株式会社
Webサイト
設立
1962年4月(創業 1933年4月)
代表者
三津千久磨 代表取締役社長
所在地
兵庫県淡路市下河合301
Tel
0799-85-1133

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