応援士に聞く

西陣織金襴の美しさを世界へ広めたい【岡本織物株式会社(京都市上京区)専務取締役・岡本 絵麻氏】

中小機構は昨年度から中小企業・小規模事業者の活躍や地域の発展に貢献する 全国各地の経営者や支援機関に「中小企業応援士」を委嘱している。どんな事業に取り組んでいるのか、応援士の横顔を紹介する。

2021年2月10日

縁起の良い宝尽くし文様
縁起の良い宝尽くし文様

1.事業内容をおしえてください

織物の文様は多様だ
織物の文様は多様だ

西陣織の正絹金襴の製造・販売をしている。明治期に現社長の曽祖父が職人として西陣織を始め、1988(昭和63)年に株式会社にした。従業員は8人で、全員が親族で職人の家内制手工業だ。製品の西陣織金襴は寺社仏閣で宝物を飾る布やお坊さんの袈裟などに使われているが、自社オンラインショップで西陣織のマスクや布地、小物も販売している。

2.強みは何でしょう

好評だった西陣織マスク
好評だった西陣織マスク

新型コロナ感染症の影響で予定されていた法要が無くなるなど、昨年春以降予定していた注文が大幅に変更となった。政府が「アベノマスク」を配るというニュースを見て、ピンチをチャンスに変える思いで4月1日から西陣織マスクを製作した。当時はマスクの供給が少なく、オンラインショップで販売したら月100万円ほど売れた。昨年11月には大阪府の大丸梅田店の催事にも初出店し、定価14,800円の最高級マスクを40枚近く売った。

状況に応じて自在に製品を織れる職人の技術はもちろん、大企業とは異なりマスク製造から販売まで意思決定がすぐにできる機動力が当社の強みだ。

3.課題はありますか

作業中の職人
作業中の職人

従業員は70代後半の親世代と40代の子世代で、職人の高齢化が一番の課題だ。
織機・道具の老朽化の問題、織物関連のソフトがパソコンの最新OSに対応せず、社内パソコンのOSも未だにウィンドウズ95・フロッピーディスクなども使っている等の問題がある。

商品は絹製品で水分や湿気に弱い。台風や洪水など近年相次いでいる自然災害も非常に怖い。こうした課題を抱えつつも対策が講じられていないのが現状だ。

4.将来をどう展望しますか

今後は世界へ向けてネット販売を拡充していきたい。伝統工芸品である西陣織金襴の美しさを、新しいデザインと商品群で世界に広めていきたいからだ。

絹製の製品は色合いが美しく、Web上で綺麗な画像をアップすれば注文数は倍増する。美しく見せることができればインスタグラムなどSNSでの拡散も期待できる。今はレンタルスタジオを借りて商品撮影を行っているが、借料が高価なため、いずれはライトなどの設備を整えた自前のスタジオを持ちたい。新たな取り組みとしてオンラインでの展示会も開催したい。

質の高い良いモノづくりは伝統工芸のみならず地盤沈下しているが、需要はある。西陣全体の技術を未来に引き継ぎ、業界関係者や専門職人が誇りを持って製造を継続できるようにしたい。そのためには職人たちへ水準の高い工賃を確保し、自信をもってお客様に納められる品質を維持することが大事だ。製品の値下げはせず、良いものを適正価格で届けていく。同業者にも安売りはするなと伝えていきたい。

企業データ

企業名
岡本織物株式会社
Webサイト
設立
1927年1月1日
代表者
岡本圭司 代表取締役社長
所在地
京都市上京区小川通一条上ル革堂町576
Tel
070-6682-4650

同じテーマの記事