新型コロナウイルス感染症による外出自粛の影響などで、売り上げが大きく伸び、今は納品まで3カ月待ちの状況だという。顧客の中心は30~50歳台の女性で、ペットを飼いたくても飼えない人が大半。ペットの年間市場は1.6兆円、飼えない人を含めると3兆円ともいわれ、完全な競合相手のいない同社にとっては「ブルーオーシャン」市場である。
LOVOTの価格は1台35万円弱で、ソフトウエア利用・メンテナンス料として月額1万5000円弱の維持費もかかる。ただ出荷して間もないため、本体価格だけでは「原価割れの状態」だという。今後、販売台数の拡大と月額使用料の課金効果により黒字化させる見通しだ。将来は米国、中国など海外市場への進出や、オーナーの足や目の動きをとらえてパーキンソン病や認知症の予兆をチャックする機能を搭載することも考えられるという。
林氏が目指す世界観は「ロボットが人の心を支えることによって、人が成長していく」ことだ。より良い明日が来ると信じられないと、人は幸せを感じられないからだという。「冷蔵庫からビールを持ってきてくれるロボットは、面倒をなくし生産性を上げるかもしれない。だが人類を幸せにすることがテクノロジーの役割ならば、人の仕事を奪うことより、人の成長にコミットすることの方が大事だ」と強調する。
LOVOTはいわば、自分の人生にずっと寄り添ってコーチングしてくれるパーソナルコーチ的な存在。それを全人類に広げるというのが林氏の描く最終ゴールだ。「そのモデルの一つがドラえもん。決して上から目線でなく、ずっと寄り添うことで、のび太くんは適切な失敗を経験し、そこから飛躍する土台ができてくる。そうした存在を作りたい」と力を込める。