新型コロナウイルス感染症の流行で、既存の事業が大幅に減った時には、レーザー加工機を活用して透明なアクリル板をオーダーメード加工して飛沫感染対策として企業向けに売り出したり、足踏み式のアルコール消毒スタンドを開発したりすることで、難局を乗り切った。臨機応変に対応する力が備わっていたことの表れだ。本業の部品加工も、取引先からの発注を待つのではなく、自社の技術者がコストダウンや機能向上ができる代替加工方法を提案し需要を開拓するVE(バリューエンジニアリング)による営業提案力を高めている。取引先も精密機器、食品機械、理化学機器、測定機器など多岐にわたる分野へと拡大した。
創業家の親族以外から取締役に昇格した取締役営業部長の飯塚将知氏は「入社した当時は同族経営の“ザ・町工場”という印象で、経営者と社員、社員間のコミュニケーションが乏しかった。でも、この会社の技術力は素晴らしいし、もったいないと思っていた。発言権を得るためには一生懸命仕事を覚えるしかないと頑張ってきたが、今の体制で役員にしてもらえた。今までは工場を主に見ていたが、これからは精密板金の新規開拓に取り組みたい」と、会社が正当な評価をして登用された結果に満足し、今後の事業拡大に意欲を示している。