創意工夫は、大きな課題である生産性向上でも行われている。社員がさまざまな知恵を絞る「ステップアップ会議」だ。慢性的な人手不足に悩んでいる同社にとって、生産工程でのムダをなくし、生産性向上を目指すことは永遠の課題だ。そこで同社は「ステップアップ会議」を2005年にスタートさせた。月1回の開催で、南国工場、東工場、南工場、西工場の部署ごとに生産性向上につながる改善テーマを発表。幹部らが各工場を回りながら、現場での実行状況や成果を確認している。工場間や部署間で切磋琢磨する格好の会議は今年3月には200回の節目を迎えた。
経費節減など改善効果は大きく、そのうえで特に役立ったのが、濱田氏が提案した中小機構のハンズオン支援だった。取引関係がある銀行の出身だった濱田氏はさらなる改善が必要だと感じ、銀行時代に出向していた香川県内のメーカー経営者に相談。そこでハンズオン支援を紹介されたという。
支援は、中小機構から派遣された専門家のアドバイスを受けながら2期に分けて行われ、1期目(2018年10月~19年9月)は製造現場での改善を中心とし、2期目(2020年5月~21年3月)では原価管理の仕組みづくりを進め、製造原価の低減を図った。こうした支援をもとにステップアップ会議も進化を遂げ、その結果、年間4000万円相当のコストが削減されたという。
「ものづくりの基本をあらためて体得することができ、ムダを省くことで会社の利益に結び付けることができた」と濱田氏は振り返る。濱田氏は昨年5月、中小機構から中小企業応援士を委嘱されており、「地域の中小企業を応援する立場から、今度は私が中小機構の支援策を紹介していきたい」と話す。