ここ数年はアルギン酸の新規市場開拓に力を入れている。医療向けではほかに、錠剤の崩壊剤、胃壁の保護剤などに使われているが、新たに再生医療向けの製品開発に着手した。膝軟骨の再生に向けて、持田製薬と共同で臨床試験の最終段階に入っている。ほかにも椎間板の再生治療や、大規模災害現場での止血剤製品などの開発にも取り組んでいる。
「アルギン酸一筋に深堀してきたことが当社の強み。だが逆に気候変動などで原料調達事情に大きな変化があった場合、一番の弱みになる」と笠原社長。このため今後は、アルギン酸以外の素材にも力を入れる方針だ。すでに、微生物が発酵する際に産生される天然の増粘多糖類「キサンタンガム」や、木材パルプの繊維からつくった増粘安定剤「カルボキシメチルセルロース」などの素材を商品化しており、それ以外の素材研究にも取り組む。
2019年12月期は年商92億円だったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、20年12月期は10%程度減少した。海外でのロックダウンや緊急事態宣言により特に外食や歯科向けは大幅に減少したという。ただその反動からか、21年は欧米での食品向けが好調で、工場は4月からフル操業が続いている。
笠原社長が入社した当時の年商は約10億円。その10年後は約20億円、そのまた10年後は約40億円、さらに10年後は約80億円と「10年ごとに倍々ゲームを達成してきた」と振り返る。数年内に年商100億円を越え、2030年に年商200億円企業を目指している。