BreakThrough 企業インタビュー

エビデンスに基づく製品付加価値【株式会社ソーケンメディカル】

2017年 8月 15日

電気磁気治療器として国内初の承認を得た 「ソーケン」

summary

データを背景にした信頼度の高い製品づくり
積極的な産学連携への取り組み
製品開発のイメージ化

時代を先取りするデータによる安全性の確保

同社のメイン商品は電気磁気治療器として国内初の承認を得た 「ソーケン」。従来の家庭用磁気治療器では体の表面1〜2cmまでしか磁気が届かなかったが、この「ソーケン」は家庭用100Vの電源でも体の20〜30cmまで届く磁気を発生させることができる。これにより身体深部の“コリ”も改善することができるという。

発生する熱をコントロール できるため、クリニックなどでの長時間にわたる連続使用も可能。刺激も少ないため、体のどこに当てても問題なく、薬のように副作用もない。そのため家庭用でもありながら、全国の医療機関、介護施設、エステサロンなどで導入されている。

この製品の開発の背景には「脳に障害を持った息子を救いたい」という創業者の願いが込められている。そのため安全性の確保には特別の配慮がなされている。
医療機器承認以来30数年に わたり安全性を保証する最新のエビデンスをとり製品改良に活かすことで、信頼性の担保も実現。平成17年の規制緩和から安全性を保証するエビデンスデータを貯め始めた家庭用磁気治療器メーカーは、過去に遡ってデータを集めることができないため、同社には圧倒的なアドバンテージがあると言えるだろう。

また、同社の電気磁気治療器は国内外の サッカークラブへの導入実績もあり、アスリートからの評価も高い。事実、駅伝やオリンピックに出場するアスリートたち に同社製品が利用された実績も豊富。今後は市場が大きなヨーロッパへの進出も目指していくそうだ。創業者の想いから生まれた同社の製品は、世界が待っているとも言えるだろう。

開発製品イメージ

次代を見据えた研究開発への取り組み

人口の多い団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年。日本の介護・医療費などの社会補償費は急増することが懸念されている。そんな時代へ向けてソーケンメディカルは後期高齢者の自立をサポートする製品の開発を産学連携で進めている。

政府も医療・介護制度の改革については対策を急いでいるが、特に最近高齢者層の中でも大きな割合を占めるようになった団塊世代は、国や医療施設に頼るより「自分の人生は自分たちでなんとかしよう」と考える人が顕著であるという。自立した層が多い団塊の世代だからこそ在宅で使える治療器があれば、60歳以上の高齢者たちは保険を使わず自分たちで健康を維持できるのでは、と同社は予測する。そのための自助自立に向けた製品の開発を産学連携で実現しようとしている。

産学連携の強化によるアカデミックな製品開発へ

同社はこれまでも数々の産学連携を行い、94件もの研究論文を発表している。琉球大学との「ニガウリの育成促進」、昭和大学との「白血病細胞アポトーシス」、東京歯科大学との「難治性骨折治癒促進」など、新治療法や植物育成法の確立に向けて、長年培ってきた磁場に関する知見を惜しみなく提供している。
近年では埼玉大学先端産業国際ラボラトリー内に研究室を設置。脳機能・血流・抗酸化・動脈硬化・姿勢・自律神経を指標としたエビデンス研究などを進めている。医療やヘルスケアの分野で交流磁気治療器が今後どのように活躍の場を広められるかをよりアカデミックに追求している。

同社のこうした社会貢献や研究への評価は高く、2016年1月に開催されたTAMA産業活性化協会が主催する「平成28年新春賀詞交換会/平成27年TAMAブランド企業認定・大賞表彰式」で「TAMAブランド企業」に認定され、同時に「産学連携・研究開発部門:大賞」を受賞している。

この受賞をきっかけにこれまで個人の人間関係のみを頼りに共同研究できる研究者を探していたが、ブランド力が強化されたことにより、大学から連携を申し入れてくるケースも増えたそうだ。これにより、同社は社会貢献度の高い製品開発を加速させるだろう。

産学連携の強化によるアカデミックな製品開発

高齢化社会に向かう中、医療関連機器への関心はますます高まるだろう。そんな中で同社には40年にわたり積み上げてきたノウハウがある。特に交流磁気の研究に関しては、圧倒的な自信を持っている。その強みをさらに拡大するため、様々な先端技術を持つ企業とのコラボレーションで、さらに大きな可能性が生まれるだろう。

企業データ

企業名
株式会社ソーケンメディカル

創立35周年を迎えました。この間、42万5千台を超える電気磁気治療器を世に送り出してきました。そのほとんどが口コミからのお問合せからであることが、私達のひそかな誇り。毎年多くの研究論文が学会に寄せられる交流磁気の好影響。 どのようなメカニズムで効果を上げているのかという学術論文は研究の途上段階です。