1990年、伊藤園は世界初の商品をもう一つ発売した。ペットボトル入り緑茶飲料(1.5リットル)だ。
商品開発でプロジェクトメンバーを悩ませたのが「オリ」と呼ばれる沈殿物の存在だった。人体に無害なため、缶入りの商品では問題にならなかったが、ペットボトルの容器は中身が透けて見えることから見栄えが良くなく消費者に誤解を与えてしまう恐れがあった。
緑茶を薄く作り香料やエキスを添加すれば問題は解決するが「自然のままにいれた香りとおいしさ」にこだわる伊藤園では許されない。
オリが発生する原点に返ると、微細な茶殻が残ってしまうことに行きついた。そうだとすれば、茶こしを限りなく細かくできれば、オリは取り除けるはず。緑茶抽出液を微細にろ過しながら、お茶の香りやおいしさに結びつく成分は通すフィルターを使った製法を開発した。同方法は「ナチュラル・クリアー製法」と呼ばれ、1996年に特許を取得した。同年には、500ミリリットルペットボトル入りの「お~いお茶」を発売した。
ペットボトル入りと缶入り「お~いお茶」は製法だけでなく、茶葉も異なっている。缶入りに比べ、ペットボトル入り商品はのどの渇きを潤す「止渇性」が強いと判断。濃いお茶の味を全面に出さずに、香りを重視した設計にしている。そのために、蒸し時間が比較的短い「浅蒸し・中蒸し」の茶葉を使用し、すっきりとした味わいとともに香りが強く感じられる商品に改良した。