同社の歴史は、現代表取締役・須藤利明氏の祖父である春治氏(故人)が1936年、谷田部町(当時、現つくば市)に創業したスドウ酒店に始まる。須藤氏は当初エンジニアを目指していたが、東京理科大学在学中に結婚、さらに子どもも産まれることとなり、考えは一変。「すぐにでも働いて稼ぎたい」と思い、大学を中退し、1991年に2代目の父・孝明氏から事業を承継。これを機に店を法人化し、有限会社リカーショップスドウが誕生した。
しかし、経営方法をめぐって須藤氏は祖父、父と激しく対立した。定価販売が当たり前だった酒類販売についても規制緩和が進み、ディスカウント店が登場するなか、消費者利益を考えて自分たちも値引き販売すべきだと主張する須藤氏に対し、祖父と父は「安売りは仲間内の同業者の客を奪うことになる」と断固反対。大手メーカーの定番商品では事業拡大は無理だと悟った須藤氏は「ならば一般の酒店ではあまり売られていない各地の地酒や焼酎を扱っていこう」と考えた。
とはいえ、当時はインターネットが普及しておらず、情報を入手するのにはひと苦労。幸い、研究施設が多いつくば市には転勤などで全国さまざまな場所から移り住んでいる人が多く、その人たちからの情報などをもとに須藤氏は各地に足を運び、とっておきの銘柄の発掘に努めたという。その中のひとつが鹿児島県の芋焼酎「森伊蔵」だ。名前が知れ渡った現在でも入手が困難といわれるなか、同社は特約店として“幻の焼酎”を取り扱っている。
こうしてスドウ酒店は、各地の隠れた銘酒や焼酎などを取りそろえた“こだわりの酒店”に変貌。高付加価値の商品を扱うことで一般の酒店に比べて高い利益率を維持しているという。