「企業は人なり」「会社の成長は人の成長」と考える山岸社長の視野は、同社内だけに留まらない。
ヤマギシテクニカルセンターでの研修は開設当初、自社社員と、つきあいのある会社の従業員が対象だったが、社員を毎週、丸々一日分を研修に出すのは難しいという事情から他社からの受講生は次第に減り、近年は自社の新入社員のみとなっていた。しかし、同センターは中小企業として唯一、群馬県の職業訓練校に認定されてもいる。山岸社長は「今後はまた他企業からの受講生受入を進めていきたい」と話す。
一方、地域の若手経営者の育成にも力を注いでいる。21年秋から、新たに地元企業を対象とした「経営塾」をスタートした。スタート時点で17社の地域の若手経営者や次世代経営陣を対象に、経営者として必要な考え方や身につけるべき知識、部下のマネジメントなどを、山岸社長をはじめとする山岸製作所の経営陣が講義している。
父が創業した企業を兄弟で引継ぎ、リーマンショックや米中貿易摩擦、コロナ感染症など厳しい局面を何度も乗り越え、子息を中心とした次世代に引き継ぐ準備を着々と進めている山岸社長。その実体験や苦労話などを学ぶことは、地域で次世代を担う人たちにとって有意義な経験になるだろう。「自社だけでなく、地域全体が“Sustainable”であるよう、地域と共に成長していきたい」と山岸社長は力強く語っている。