SDGsへの取り組みを語るにあたって忘れてならないのが同社の10年ビジョンだ。ビジョンは2025年を目標年度として2015年に策定。そのメインテーマは「健康なときも、そうでないときも、一番に思い出してもらえる存在でありたい」。薬局は病気やけがなど健康でなくなったときに訪れる場所というイメージだが、松田氏は「健康づくりをしたり、予防や未病などについて相談に来てもらったりできるような場所になりたい」と話す。
そして、このビジョンに盛り込まれ、その後に実現したのが平野みらい薬局である。「これまでの薬局業務にとらわれず、地域に合った新しい価値を生み出す薬局」という新たな薬局像を具現化したものだ。薬局の建物もエコや持続可能性にこだわっており、資源を有効活用する木造のCLT工法では嶺北地方のスギ材を使用し、地中熱のGEOパワーシステムやソーラーパネルなど、クリーンエネルギーを使用することで、訪れる人の心と体が心地よく過ごせる空間をつくっている。1階の店舗部分には相談スペースやエコショップなどを設置。管理栄養士の資格を持つ社員による健康づくりのための料理レシピも掲示されている。2階にはイベントスペースがあり、ヨガ教室や料理教室などを開催。まさに健康なときにも利用できる薬局となっている。
外観は薬局とは思えないほどおしゃれで、カフェに間違えられるほどだという。とくに目を引くのが、SDGsの17ゴールのアイコンを表示した看板だ。これは平野会長の発案によるもの。実際に完成すると強いインパクトがあり、評判は上々だ。看板を見た人たちから「見学したい」と問い合わせも寄せられるという。社員からも「看板を目にすると自分たちが目指すものが再確認できる」と話す。
同薬局は地域ESD活動推進拠点にも登録されている。ESDは、持続可能な社会の実現を目指して行う学習や教育活動のことで、重点ゴールのひとつ「質の高い教育をみんなに」の達成に向けた活動の場となっている。