コロナ禍でがんばる中小企業

3割お得な利用券で回復の兆し【みやぎおかみ会】(宮城県仙台市)

2020年 7月 20日

みやぎお宿エール券
みやぎお宿エール券

1.コロナでどのような影響を受けましたか

宮城県の観光振興に注力するため、1991年3月に県内の旅館・ホテル事業者で「みやぎおかみ会」を組織し、現在36施設で構成している。

宿泊・観光業は、緊急事態宣言の遥か前の今年1月に早くも休業を要請された〝名指し〟産業だった。売り上げは、月によっては前年同月比で9割減となり、書き入れ時の大型連休にも休業や短縮営業を余儀なくされて深手を負った。人が宿泊・観光を控えることで、宮城県の経済自体が落ち込んだ。

コロナ禍で安心・安全に営業するためには感染防止に新たな設備投資が必要となる。繁忙期などには密になりやすい観光地特有のイメージも払拭しなければならず、業界全体が苦境に喘いでいる。収入が激減しても設備維持・人件費を支払い、固定資産税を納めなければならない窮状にあることは言うまでもない。

2.どのような対策を講じましたか

「みやぎおかみ会」会員施設の1つである南三陸ホテル観洋に設置している「みやぎお宿エール券企画事務局」と、同会会員の中から17施設が連携して、1万円の購入で1万3000円分(1000円券×13枚)使える「みやぎお宿エール券」を販売する事業を立ち上げた。宿泊代のほか、会員施設内の飲食・入浴・土産代にも利用できる3割お得なプレミアムチケットだ。

同事業は、宿泊客が南三陸町内の店舗で使える「地盛券(じもりけん)」を前身としている。南三陸ホテル観洋が地域経済活性化のために今年の3月から4月にかけて発行した500円分の利用券だ。「地盛券」を利用できる店舗を一覧にしたマップを添えて拡販し、業績を伸ばしたことなどが同事業の発案につながった。

「地盛券」が話題となる一方で、新型コロナの感染拡大は深刻化し、宿泊施設の廃業が全国で相次ぐ中、「事業を維持するためには、アフターコロナを待つばかりでなく『いま』を乗り越えなければならない」と覚悟したことも、自らの背中を押した。

「みやぎお宿エール券」は、今年の7月から12月の利用を促進し、5月から6月にかけて同事業に参加した全施設で計1万3000セットを販売した。施設の事業継続に役立つ成果が上がったと同時に宣伝効果も生まれ、券の利用を目的とした7月と8月の宿泊予約が増加傾向にある。

3.今後はどのように展開していく予定ですか

土地の空気や温泉の心地よさ、鮮度と質の良い食事は、現地を訪れてこその楽しみだが、コロナ禍では「3密の回避」「清潔な環境の維持」など様々な課題をクリアしてこそ、安心・安全で快適な旅を提供できる。

「みやぎおかみ会」会員施設の安全性と魅力、県内観光の見どころを発信するSNSと、地元の名産品販売という、ITと地域財産の両方を活かした取り組みを推進する方針だ。国の観光政策「GoToキャンペーン」などにも期待しながら、観光客の回帰と地域経済の再浮揚に貢献していく。

企業データ

企業名
みやぎおかみ会
Webサイト
設立
1991年3月
代表者
阿部憲子 氏(南三陸ホテル観洋 女将)
所在地
宮城県仙台市若林区新寺2-1-1-901 みやぎおかみ会事務局
Tel
022-298-8933