同社は本社のある武蔵村山市以外にも、埼玉県入間市に狭山工場、佐賀県三養基郡に佐賀工場を持つ。1969年に新設した狭山工場は生産機能と技術開発の拠点。佐賀工場は得意先の九州進出に合わせて84年に新設した。
同社が取り扱う製品のほとんどは認定品と呼ばれるもの。客先の多くの試験や検査に合格して採用される。災害時に自社工場が操業不能となった場合、他社に代替生産は依頼しにくいため、武蔵村山工場と狭山工場でできることは、佐賀工場でもできるようにして事業継続リスクを軽減している。
狭山工場と佐賀工場にコンピューター・サーバーを設置し、事業活動で発生するすべてのデータを同時に記録することで、どちらか一方がデータを喪失しても、もう一方で事業を継続できるようにしている。非常時のコンピューター稼働に必要な電力の供給には、ポータブルガス発電機で備えている。
めっき業では、毒物・劇物など化学物質を多く扱う。同社も災害時の流出防止、原液や排液の混合による有毒ガスの発生防止に、自社開発設備による生産ラインや倉庫保管などで特別の工夫や対策を講じている。
従業員の安全対策では設備機器の補強工事や建物への固定化工事を実施。水や食糧を備蓄するほか、非常用の簡易トイレ・テント、毛布も備えている。
セキュリティ会社の安否確認サービスも利用している。震度5強以上の地震発生時に、全従業員に安否確認メールを自動送信し、応答しない従業員を即時リストアップする仕組みだ。
前述の狭山工場の耐震・耐荷重工事は、東日本大震災の2カ月前に完了。西原社長は「工事前の発生であれば被害も少なからず出た可能性がある。改めて先手の対応が大事だと感じた」と振り返る。本社工場は計画停電のエリアにあったが、停電時間帯の勤務シフトを変更するなどBCPに基づいて乗り切っている。