遠州灘から約2kmの距離、海抜3mの高さに位置している同社の対象脅威は地震と津波だ。BCPは「従業員や地域住民の安全安心に向けた対策」を最重要事項に位置付け、災害時に従業員の安否を確認するシステムを導入し、従業員の家族も確認対象にしている。
災害時の安全性を高めるため、設備や機材を工場建物に固定する工事を完了。事務所の書棚類も16年の本社屋建替え時に壁への埋込式にした。さらに津波を想定し、工場の屋上スペースに外階段を設置し、地域住民の避難場所として常時開放している。
太陽光発電システムも導入し、通常は会社で使う電力の一部を供給している。停電対策では、事務所レベルの一時的な使用を目的に小型自家発電機も備えている。
早期復旧を期して、静岡県信用保証協会のBCP特別保証(激甚災害時に再建資金を迅速に確保できる制度)も予約している。業務で使用する情報はすべてクラウドで管理。3万社超の顧客データや受発注記録などのデータが災害で喪失するリスクを軽減している。
併せて、県外(兵庫県豊岡市、大阪市、滋賀県草津市、長野県松本市、中華人民共和国)の同業5社と災害時相互応援協定を締結。メンバーの被災時に、他のメンバーが代替生産することなどを取り決めている。震度6以上の地震では、要員や物資を無条件で派遣・供給することも申し合わせている。