それまでオール電化の利用者との接点がなかった中岸氏は、給湯器が故障するとお湯が出るまで数日~数週間かかることを知らず、オール電化の利用者も仮設のガス給湯器ですぐにお湯を出せることを知らなかった。それが知人の一件でマッチングとなった。「ガス業界では昔から行っていたこと。当たり前すぎて価値に気づいていなかった」という中岸氏はビジネスチャンスの可能性を直感した。仮設の際にオール電化からガス給湯器への切り替えを提案することで新規顧客の獲得にもつなげられる。「ガス会社もオール電化の市場に食い込むことができる」として中岸氏は正式なサービスとして展開することを社内で提案した。
社長をはじめ役員も乗り気で、社内での検討は2020年12月に始まった。まず、「仮設という名もなきサービス」(中岸氏)に「即湯サービス」というブランド名を付けた。「名付け親は社長。即お湯を出せるという意味に加え、依頼を受けたら『できます』とすぐに答えられるという即答をかけている」(中岸氏)。
そして即湯サービスは2021年6月にスタート。するとオール電化の家庭から依頼が相次いだ。「社員がすぐに駆け付け、額に汗しながらボンベと給湯器を設置する様子を依頼者は目の当たりにする。そして1時間ほどでお湯が出たときには感謝と感動でいっぱいの表情になる」(中岸氏)という。その感動冷めやらぬうちに給湯器の販売を提案。利用者の8割が次の給湯器の販売につながり、接点を持てたことでリフォームにつながるという予想していなかった展開に。
その後、テレビCMや新聞折り込みチラシで積極的に宣伝したことで、依頼者が増加する一方、「お願いするのは即湯サービスだけ。ほかのことは頼まない」というケースが多くなり、成約率は若干下がった。しかし中岸氏は「給湯器を買い替える必要があることに変わりはなく、懇切丁寧に提案してくことで成約率を上げていきたい」と意気込みを見せている。