(株)グッデイは福岡、佐賀など北部九州を中心とした5県で同名のホームセンターを64店舗展開しており、特に福岡ではよく知られた存在だ。その同社が2015年頃からデータ分析・活用に力を入れている。陣頭指揮を執るのは柳瀬隆志社長だ。
柳瀬社長は2008年にそれまで勤めていた三井物産を退職し、家業のグッデイに入社。営業本部長や副社長を経て、2016年に社長に就任した。
データ分析・活用に取り組むのは、「経営判断のために、リアルタイムで数字を把握したかった」からだ。「当社でいえばそれは主にPOSデータの把握、分析だった」という。
では、柳瀬社長が入社した当時の同社はどうだったかというと、社員が個別のメールアドレスを持たず、社員間や店舗間のやり取りは電話やファックスがほとんどだった。柳瀬社長は「現場の文化として、“数字は見るな”というものも存在した。理由は“勘が鈍るから”。これには驚かされた」と振り返る。それでも社内にはPOSデータは大量にあったので、全店舗の状況を把握しようとシステム部にデータの抽出を依頼することは珍しくなかった。ところが、「毎回エクセルを使って集計していたので、抽出に数日かかると言われることも多々あった」という。それだと経営判断に間に合わない。「データを分析しようにも、環境が整っていなかった」のだ。
転機は2014年。福岡で著名なAIベンチャー会社の社長からGoogleが提供するデータ分析クラウドツールを薦められ、個人的に試してみたことだった。使ってみると、経営判断のための分析が簡単に出来てしまう便利さに、「発見の連続だった」という。ちょうどその時期に、システム部でも最新ツールに関心のある社員が別のクラウドツールを試験的に使い始めた。柳瀬社長は「世の中にそういったツールが出始めた時でもあり、データを経営判断に生かしたいという思いと合致した時だった」と語る。ほどなくして、柳瀬社長はデータ分析プラットフォームの「Tableau(タブロー)」の存在を知る。試用版で自ら使い方を学んだほか、社内でも数人の有志を募って活用方法について勉強会を続けた。その結果、2015年にTableauとグループウェア「Google Workspace」を社内に導入することを決定。データ分析・活用に本格的に乗り出した。