まず国の補助金を使い手作業で行っていた伝票管理、配車管理、入出金管理を一元化するシステムを構築した。効果はてきめんで、荷物の積み忘れなどの無駄がなくなり、受注のキャパシティが増大。荷主も問い合わせ電話の代わりに、頼んだ荷物がいつ配送に回り、いまどこにあるか自分でデータを見て確認してくれるようになった。
次に共同配送サービスを導入した。従来は取引先ごとにトラックを配備していたが、取引先から依頼がないとトラックを遊ばせてしまう。ひとつの取引先から複数方面への配送依頼があれば長時間労働の原因にもなる。そこで取引先ごとではなく地域ごとに必要なトラック数を配備。取引先が異なっても近隣なら同じトラックで配送して効率化を図った。
取引先との契約内容も見直した。荷物が一定量を超えるとドライバーの負担が大きくなるが、配送単価が非常に低かった。荷主と相談しながら配送料を値上げしてもらった。値上げで受注件数は減るが、質の高いサービスを適正料金で提供できるようになる。そうすればドライバーの労働時間が短くなり、得られた収益をドライバーに還元できる。
収益配分では1日の粗利益表を作成。その日の運賃、燃料費に対し、ドライバーひとりひとりがどれだけ稼いだか一目でわかるようにした。所定労働時間は午前8時から午後5時だが、午後5時を待たなくても退社を可能にした。効率よく配達すれば収益がちゃんとつく、だらだら仕事をするよりプライベートを充実する方が良いと、ドライバーは仕事が終わり次第、早く帰社するようになった。あわせて全車に車内カメラ、デジタルタコメーター、ドライブレコーダーを配備。すべての配送を2人体制で行い、ドライバーの過重労働回避や安全確保にも配慮している。
これらの取り組みで同社は2017年、中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者」に選出された。ドライバー20人の月平均時間外労働は17年の52時間から18年は36時間に急減、年間休日の取得は90日から105日に急伸。ドライバーの退職も徐々に減ってきて、2年前にぴたりと止まった。