同社は多くの障がい者を雇用していることでも知られる。今年8月現在、従業員120人のうち32人が障がい者で、そのほとんどが正社員として採用されている。その中に、クリーニングの業務にあたる50代の男性がいる。同社の障がい者雇用はこの男性から始まった。
1990年、札幌市内の高等養護学校から知的障がいを持つ男子生徒1人を実習生として受け入れてほしいとの依頼があった。生徒はクリーニングの業務にあたり、任された仕事にひたむきに取り組んだ。翌年、生徒は従業員として雇用され、今や約35年も勤続するベテランになっている。彼の入社以降、市内数校の養護学校から実習生の受け入れを依頼され、障がいを持つ従業員は徐々に増加していった。
障がい者の勤続年数が長いのも特徴だ。同社では、障がい者一人ひとりの個性を見極めたうえで、その人に適した業務を担当させている。また、障がい者とともに働く意義を社内の全員に理解してもらうことを目的に冊子「ともにはたらく~知的障がい者と支援者のためのマナー編」を作成し、社内研修に活用している(一般販売も実施)。このほか、支援に当たる社員を配置するなど、障がい者が働きやすい職場づくりを進め、その結果、離職者は少なく、平均勤続年数は17年10カ月と、全国平均(障がいの種類によって約10年~3年)を大きく上回っている。
障がいを持つ従業員が増えたことで職場の雰囲気も変わった。「仕事の内容を覚えてもらうために、周囲の人たちがやさしく丁寧に教えている。そんな雰囲気が社内全体に広がり、従業員みんなが質問しやすい風通しのいい職場環境になっている」と池田氏。周囲からは「職場というより学校みたいだ」とよく言われるという。