従業員の生活を第一に考えた人事管理体制
創業時から続く絶えない挑戦心
応用研究無くしては、このビジネスは成り立たない
現在では、2016年に神戸市に新社屋を建設し、研究施設をさらに増設、研究員も18名となり、シクロデキストリンの研究施設では世界最大となった。創業時の規模が小さい時から、社内での研究・開発体制に注力をしており、この体制の構築こそが、現在の成長率につながっている。
勤めていた前社より日本国内でのファインケミカルとシクロデキストリン事業での創業を打診された寺尾社長は、当時創業するかどうかで悩んでいた。もともと、創業意欲がほとんどなかったこともあったが、最大の要因は、シクロデキストリンの市場環境である。世界で唯一3種類のシクロデキストリンを大量生産ができる前社より仕入れができるため、まだ国内に流通しておらず競合が全くいないα型とγ型を最大の強みにすることができる。だが、一方でこの2つの応用研究は全く進んでおらず、販売先の製品開発者からも全く認知されていない状態であった。そんな中「既にβ型が流通している食品分野であれば、シクロデキストリン自体への理解もあり十分に勝機はある」との考えから一からの新市場開拓を決意。α型とγ型の販売のためには、自社での研究開発体制の構築は必要経費と考え、創業時の4名のうち自分を含めた2名でα型とγ型を中心とした応用研究体制を構築した。当初の狙いの通り、β型と相性が悪く開発中止になった食品に、α型やγ型を提案すると採用され実現し始めた。国内での取扱が自社だけのため、一度繋がると安定した販売数が見込める。販売数が上昇するに伴い、α型とγ型の認知度やその優位性が十分に知られるようにもなり、現在では、発表した研究結果を製品メーカーの開発者の方から読んでいただき、問い合わせを受けることも増えている。
拠点を超えたコミュニケーションをしやすい土壌づくり
現在ではグループ合計の従業員数は50名を超え、拠点も東京、神戸、岡山の3つに増えたが、社内でのコミュニケーションは潤滑である。そこには寺尾社長の従業員の生活を第一に考えた経営がある。
人の生活の三分の一は会社にいる時間のため、その時間を少しでも楽しくして欲しいという思いからだ。毎年、会社で全額負担をし、全社員による社員旅行を実施するなど、拠点を超えたイベントで、社員同士が顔を合わせて気軽に話ができる土壌作りを積極的に行なっている。このイベントにより、従業員数は増えたが、相手の顔や性格や雰囲気がわかり、拠点が離れていても仕事がやりやすいという声が出ている。
社長自身もどこかの拠点に重点的にいるのではなく、三拠点をまんべんなく出社をし、積極的に従業員と接しながら交流する時間を作っている。結果的に全社的に残業が少なく、ほとんどの社員が就業時間内で帰社をすることができ、高い従業員満足度を実現している。
原料メーカーから製品メーカーへ。介護予防分野にも進出
2006年にシクロデキストリンを使ったサプリメントと化粧品の製品メーカーとして株式会社コサナを設立。原料メーカーとして蓄積してきたシクロデキストリンの研究結果とノウハウを生かした自社製品開発を展開。こちらも設立当初は今までと勝手の違う製品メーカーの展開に戸惑い、苦戦をしたが、現在ではシクロケムと同様に順調に成長している。そして、今年(2017年)には、介護予防サービスを提供する会社として、株式会社コサナ・ケイジング・ライフも設立した。そこには、寺尾社長のビジネスへの挑戦心だけでなく、日本のこれからの介護へ貢献したいという思いがある。昨年より、家族で協力してお母様と同居をしながら介護をする中で、「これからは介護をする施設だけでなく、介護される人を減らす介護"予防"施設が必要である」と考えたことがきっかけである。介護予防施設は、地元岡山に建設予定であるが、そこでは自社開発のサプリメントだけでなく、最新の運動設備等を取り揃えて、栄養学だけでない総合的な視点でトータル的に介護予防に取り組んでいく。
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