FLAMは、浜通り地域などに新たな産業基盤の構築を目指す国家プロジェクト「福島イノベーション・コースト構想」の一環で、太平洋を望む棚塩産業団地内に整備された。福島県産を中心とした国産の原木から集成材を製造する一貫生産や、国内初となる高出力高周波プレス機などによる量産体制が特徴だ。
運営主体となるウッドコアは、大正時代から浪江町で製材業を営む朝田木材産業と、郡山市所在で県内では集成材の第一人者といえる藤寿産業の2社が共同で2018年に設立した。社長は、大断面集成材について経験豊かな藤寿産業会長の蔭山寿一氏がつとめるが、生まれ育った浪江町の復興に向けて会社設立の中心となったのは、ウッドコア取締役で朝田木材産業代表取締役の朝田氏だ。
同社4代目の朝田氏は、創業100周年を翌年に控えた2011年3月の大震災と原発事故により、家族とともに避難。最終的に東京都内で暮らすことになった。当時30人近くいた社員も「みんな全国各地にバラバラになった」(朝田氏)という。当時代表取締役だった父・宗弘氏(現会長)から「自分が生きていける生き方をしろ」と言われた朝田氏は「浪江に戻れないのなら別の場所で製材業を続けよう」と考え、福島県や茨城県で再建する場所を探し求めた。しかし、適当な場所は見いだせなかった。
一方、浪江町では帰還困難区域を除いて日中の立ち入りが可能になった。久々に故郷に戻った朝田氏は荒れ果てた会社の悲惨さに愕然としたが、「ここに戻ってやるしかない」と決意。妻子を残して福島市内のアパートに移った朝田氏は浪江町に通い、「戻れるなら戻ってきて」という呼びかけに応じた社員と5人ほどで片付け作業を続けた。その後、建設業の許可を取得し、除染の仕事も手掛けながら会社経営を続けてきた。