このほかにも、量産期が終わり補用品になっている部品の価格についても「フェアトレード」を訴える。「量産時には1個100円で製造できても、年月が経って1個だけつくるとなると、同じコストというわけにはいかない」(林氏)のだが、それでも取引先は昔の価格で注文してくるというのが製造業の慣行だという。そこで林氏は、生産管理データを示すなどしたうえで、相手に適正な価格での取引、あるいは当該部品を必要とする製品の廃止を求めるという。
もちろん、こうした考え方に納得してくれる取引先ばかりではない。なかには「それなら、もう取引しない」と言われたことも。それでも、「フェアトレード」を広めて業界全体の生産性向上を図りたいとする林氏の考えは変わらない。「一企業だけでできることには限界がある。1社でも多くの企業から理解を得て、大企業や納入先の企業などを含めた企業間の連携を実現することで、大きな目標の達成につなげたい」と強調する。
そのうえで林氏は、SDGsへの関心が高まる今が企業間連携をさらに広げていく絶好のチャンスだとみている。「大企業も中小企業もみんなが手を取り合って連携していくことが大切。これは、『誰一人取り残さない(leave no one behind)』とするSDGsの考え方にも合致する」と林氏は力を込める。「モノづくりで世の中の課題にチャレンジし続ける会社」武州工業は、SDGsを追い風に、これからもチャレンジを進めていく構えだ。