免税店の拡大
2014年10月から免税対象に地酒、菓子・食品、化粧品、医薬品なども追加して外国人のショッピングの魅力を高めた。その結果、2014年4月の免税店5777店が10月には9361店に大幅増加した。
多言語対応の改善・強化
多言語共通ガイドラインを設けて観光地、公園、美術・博物館などでの外国語の表示板・案内板の表記の仕方に統一性を与える。
また、多言語通訳・翻訳アプリなどを活用した外国語対応を交通機関や地下街なで促進する。
免税店事業者のシンボルマーク
6.MICEの誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取込み
ビジネス関連の国際会議やイベント・展示会であるMICE(Meeting:企業等のミーティング、セミナー、Incentive:企業が従業員や代理店等の報奨、研修目的に行う旅行、Convention:国際的な団体や学会などが主催する総会、学術会議、Exhibition/Event:文化・スポーツイベントや見本市、展示会)の誘致を拡大することでビジネスの訪日外国人を増やす。
オールジャパンでプロモーション活動を展開する
アクション・プログラムに沿って2000万人の訪日外国人旅行者を目指すためにはプロモーション活動も欠かせません。政府は観光庁を通じ、海外メディアでの広告や記事掲載、展示会への出展などのプロモーション活動を展開しています。また、それらのプロモーションは在外公館や民間企業などとも連携し、オールジャパンによる「日本ブランド」(日本の魅力)の発信に努めています。
日本の魅力を海外に発信する観光庁のプロモーションwebサイト。15カ国語に対応している
訪日外国人による経済波及効果
2013年の外国人旅行者による国内での消費額は1兆4167億円で前年比30.6%増加しています。2014年は1-9月の時点で1兆4673億円とすでに前年実績を超えています。
宿泊、交通、飲食、ショッピングなどでの出費が国内の消費を押し上げます。
ちなみに総務省の家計調査から日本人の年間消費額(2012年)を換算すると1人あたり約121万円3000円、一方、訪日外国人の1人あたりの消費額が15万8257円(平成26年7-9月期、観光庁)ですので13%に相当します。よって、外国人旅行者を増やすことが国内の消費額増に寄与することになり、さらに経済波及効果もおおいに期待できるのです。
そのために政府もこれまで16カ国だった重点外国市場を20カ国に拡大し、攻略対象として増やした4カ国にも訪日の機会を増やすべくアクション・プログラムやプロモーション活動に注力しています。
日本全国への波及を目指す
また、政府は観光産業の隆盛を日本全国にも波及させることを目指しています。現在は、「ゴールデンルート」と呼ばれる東京・京都・大阪・名古屋といった主要観光スポットを巡る旅路に外国人旅行者が集中していますが、これによる地域間格差を避けるため、ゴールデンルート以外の地方に外国人旅行者を誘導するためにアクション・プログラムに「4.世界に通用する魅力ある観光地域づくり」の項目を盛り込みました。
2014年は訪日外国人旅行者が1300万人を超えました。このまま2000万人の大台へと訪日外国人旅行者を増やしていくことが、国内景気の上昇や地方経済の活性化につながる可能性があります。
観光産業の中心である小売、飲食、宿泊の各業界では、免税店への登録で売上拡大を図ること、ハラールなど宗教上の理由で制限のある食事に対応すること、外国語への対応やインターネット環境の整備などコミュニケーションの便宜性を向上させることなどによりインバウンドビジネスでチャンスをつかめます。
また、訪日外国人旅行者の興味は食文化、温泉、自然・景勝地などにありますので、そうした天然資源の豊富な地方が自らの魅力を訴えられるようなアイデアを案出すれば、外国人旅行者を呼び込む可能性が大になります。
さらにその際、旅館やみやげ店、バス・タクシーなど観光産業を中心に周辺産業にもインバウンドビジネスの波及効果が期待されます。
例えば、エコツーリズムやグリーンツーリズムなどでも提唱される自然環境の中での体験ツアーを実施することにより、農業、水産加工、伝統工芸など多様な産業にも外国人旅行者を誘導できます。
中小・小規模企業の多く存在する製造業は国際競争で厳しい局面にありますが、これからの成長が期待されるインバウンドビジネスの可能性は、日本全国の中小・小規模企業にとってビジネスチャンスになる可能性を秘めているのです。
<取材協力 観光庁>
掲載日:2015年3月03日