宮原が農工連携の草分けとして最初に手掛けた仕事は、1986年に鹿児島県水産試験場と共同開発した海水表面温度の画像受像と解析装置だった。一歩踏み込んだ、より身近な農工連携製品は、89年に商品化した海苔異物検査用カメラだった。
このカメラは全国の海苔養殖場で大ヒット。翌年には地元の特産品として知られる金柑(きんかん)の自動計量包装機を開発。この機械をベースに91年には量産タイプの汎用型自動ネット包装機を開発し、国内外に特許出願。翌92年には米国で特許を取得した。
農工連携の成果はこれだけではない。一風変わったところでは、南さつま市加世田名産のカボチャをモチーフにした「からくり時計」を完成させている。
農工連携のチャレンジはさらに続く。
98年にはゴボウ選別機、えのき茸自動収穫機、ラッキョウ脱皮機を開発。99年には鹿児島県およびサンケイ化学と農業害虫自動計数装置「ムシダス」を共同開発し、同県初の「全国中堅・中小企業新機械開発賞」を受賞する栄誉に浴した。
これらの製品開発に共通するのは、開発のキッカケがすべて農業と水産業の従事者からの開発要請が出発点となっていることだ。「注文があれば何でも作る」という開発精神を率先垂範した結果なのである。