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「インターローカス(横浜市)」外壁の色選択技術で急成長

この記事の内容

  • 建物外壁工事用に開発したカラーシミュレーションソフトがヒット
  • 販促セミナーで経営基盤強化狙う
  • 塗装工事業者が元請けになりえる建設業の構造改革にも期待
カラーエクスプレスを手に「内装工事にも使える」と話す篠田氏

インターローカスは、博士(理学)で同社代表取締役の篠田淳一氏と、萩原一郎・東京工業大学教授(当時)の共同事業案が、科学技術振興機構のプレベンチャープロジェクトに採択されたことをきっかけに2005年9月に起業したベンチャー企業。塗装業者やリフォーム業者向けに開発した色のシミュレーションシステム「カラーエクスプレス」は、建設業界の重層構造を変革する可能性を秘めた主力商品に成長を遂げている。篠田社長が経緯を振り返る。

「当初は、レーザースキャナーで計測したものから3次元のデータをつくる工業的な試みに傾注していた。画像の修復や変形加工にも取り組んでいたことから、萩原教授の知人に『住宅の写真をもとに塗替え後のイメージをシミュレートできるシステムを開発してみては』とのアドバイスを受けた」

萩原教授は日産自動車出身。工事関係のシステムに携わっていた同期生から舞い込んだ話が、「カラーエクスプレス」の原案に進展した。開発に着手したのは2008年9月。基盤となる画像加工技術が確立できていたことも手伝い、2009年2月には発売できた。

「カラーエクスプレス」は、施主や店舗などの写真を使って、外壁や屋根の塗装後のイメージを視覚的に捉えることができるシステム。ペイントや外壁材のサンプル写真を参考に、施工後の自宅を想像して発注するケースが少なくない中、施工後のカラーやテクスチャーを自宅という実例で体感できる画期的なツールだ。

「初期バージョンはパソコンでしか使えなかったが、工事業者がタブレット端末で施主に色見本をもとにシミュレートできるよう改良した。さらに、スマホ用のアプリケーションも開発した。これなら、施主も手元で自宅外壁のカラーバリエーションを楽しめる」

サンプルには、業界の標準色となっている日本塗料工業会の色見本や、日本ペイント(東京都品川区)、菊水化学工業(名古屋市)の実際の塗料を採用した。タブレット端末用アプリケーションがリリースされたのは、2013年1月のこと。36万8000円(税別)という低価格とタブレット端末の簡単な操作が好評を博し、受注は急増した。

が、自宅リフォームの精度を引き上げるツールにも課題はある。現在は販促を代理店に任せているため、売り上げに波があるという。「会社の財務基盤安定化と将来の成長には、年間売り上げ1億円を目指して営業力を強化する必要がある」

実現するため、施工業者向けの販促セミナーを企画している。ユーザーになっている施工業者にはアフターケアを実施し、未利用の施工業者には機能を説明して特長を理解してもらう構成だ。

カラーエクスプレスは、シミュレーションシステムにとどまらない。「塗装やリフォーム業者が自力で顧客を獲得することで、下請け企業から元請け企業に脱却できる可能性がある。業界の活性化にもつながるのではないか」と語る篠田氏は、カラーエクスプレスが建設業界の下請け構造を改革する一助にもなりえると期待している。

東工大横浜ベンチャープラザ入居は、2012年3月。東工大大岡山キャンパスのベンチャービジネスラボラトリーから転居した。

「インキュベーションマネージャーが、企業訪問に同行してくれる販路開拓支援は心強い。この施設で開いている知財セミナーを受講できるところや、補助金申請への助力もありがたい。来客時には会議室を商談スペースに使えるため、ゆったりとしたスペースで商品のデモを見てもらえる」

篠田氏がカラーエクスプレスの販路拡大に企画を練っているセミナーも、会議室で開く予定だ。

企業データ

企業名
インターローカス
設立
2005年9月
資本金
1000万円
従業員数
5人
代表者
篠田淳一氏
所在地
横浜市緑区長津田町4259-3東工大横浜ベンチャープラザW305
Tel
045・985・6100
事業内容
塗装・リフォーム業界向けカラーシミュレーションシステムなどの開発・販売・保守