このときの神戸製鋼の技術者たちの驚きようは想像に難くない。大手機械メーカーができなかったことが、朝飯前と言わんばかりに開発に成功してしまったのだから、驚くのも当然だった。この実績が評価されて神戸製鋼の技術相談に応じていくうち、永島に新たな開発依頼が舞い込む。
「今度は新しいシステムによる完全自動化装置を開発してみないか!」
それが同社のコア事業に発展した、フライスカッターで銑鉄のサンプルの表面を研磨する世界初の試料調製機である。受注してから完成するまでわずか半年。今から15年前の1992年3月のことである。
永島の経営理念、「技術者の誇りと情熱をモノづくりに賭けることのできる企業」が花開き実を結んだ瞬間だった。