エステックの高い技術力を下支えしているのが、永島がかつて農業機械メーカーで5年間学んだ品質管理の大切さだった。
「クレームというのは隠そうとすると、確かにクレーム費は少なくなりますが、クレームが職場に密閉されて外に出てこなくなります。品質管理の責任者がクレームを10%削減する目標を立てれば、現場は目標数字を達成するためクレームが見つかっても隠そうとします。クレームを外に出さないからクレームが増えるんです」
エステックはどのようにこの問題を克服しているのだろうか。
「当社の場合、クレームは会社の良き財産なんだという共通認識があります。クレーム情報を共有化するため、仮にどこかの組立装置にクレームが発生すれば、社内で発表する制度を設けています。そうすればほかの装置の組立現場で2度と同じような間違いが起こることはありません」とキッパリ。
品質管理の国際標準である「ISO9000」。どこの会社でも作成する申請書に、クレームの削減目標を明記するのが常識。しかし、エステックの記入方法はまったく逆。「クレームを出そう」と入記しているのだ。「品質へのこだわり」を示す格好のエピソードだ。