町工場をブランディングし、求人に応募者200人:株式会社タシロ
人材確保/採用 人材育成 企業独自参照元記事:2024年3月18日
・【悩み】認知度が低く、人材確保が困難
・【対応】自社のブランディングのため、ビジョンの策定、就業規則の見直し、人事評価制度導入等に加え、新製品開発に若い社員が積極関与を発信
・【成果】社員数10人余の同社の求人に年間約200人もの応募が集まる
会社概要
・精密板金加工・切削加工・自社商品の企画製造販売を手掛ける。スピード対応、即日見積もり、24時間以内の納品などの強みをもとに「製造業界のコンビニ」というキャッチフレーズを掲げている。
・2004年にISO9001認証を取得、2012年には「かながわ中小企業モデル工場」に指定されるなど、ものづくり企業としての評価を高めてきた。
悩み
・3代目候補の田城功揮氏(現社長)が入社した2019年当時、20人弱の社員の大部分が技能実習生などの外国籍で、採用活動をしても日本人の応募は極めて少ない状況となっていた。
対応
・田城氏が手掛けたのは「株式会社タシロ」のブランディング。取引先にヒアリングをすると、「人を含めた高い品質」が強みだと分かり、人材を確保するための土台作りに取り掛かる。
・具体的には、次の取組を2~3年の期間をかけて実行。
① ビジョンとミッション、キャッチコピーなどの策定、➁完全土日休み、半日休暇制度、時短正社員制度等就業規則の見直し、③人事評価制度の導入、④社員教育の充実、⑤認証や表彰などへの応募・申請、⑥自社製品の企画・製造・販売事業の開始、⑦展示会などイベントへの積極的な参加(年10回以上)
・また、社員の多能工化を進めることで、24時間以内での納品を可能とする「製造業界のコンビニ」の看板を維持しながら働き方改革も実現した。
・採用面では、地元・平塚市を含む湘南エリアでの認知度向上に注力。エリアを絞った求人情報を検索できる求人サイトを活用した。
成果
・それまで年間10人前後だった応募者数は、2019年以降、徐々にではあるが年を追うごとに増加。
・2022年、東京インターナショナル・ギフト・ショーで自社製品がグランプリに輝き、「タシロでは若い社員が製品開発に携わることができる」との評判がものづくりを志す若者たちの心に刺さり、その年の応募者数は一気に120人に急増。
・自社製品開発における社員の関わりと成果を積極的に発信すると、2023年の応募者数はさらに増え、約200人に達した。
・現在は、求める人材を明確にしたうえで、少人数に絞った採用を続けている。その結果、社員11人のうち10人が20代という、若さと活気があふれる町工場へと変貌している。
ストーリー
株式会社タシロがプロジェクトをはじめたきっかけや若手社員の成長ストーリー、関係者の振り返りなどもご覧いただけます。
企業データ
- 企業名
- 株式会社タシロ
- 設立
- 1966年
- 資本金
- 2000万円
- 従業員数
- 11人
- 代表者
- 田城功揮 氏
- 所在地
- 神奈川県平塚市入野284-1
- 事業内容
- 精密板金加工・切削加工・自社商品の企画製造販売