ビジネスQ&A

CEマーキングに対応している工作機械に取り付けるセンサーと制御機器はインドRoHSへの対応が必要でしょうか。

2021年1月29日

マシニングセンターなどの工作機械に取り付けるセンサーと制御機器を製造しています。EU向けはCEマーキングの対応をしています。インドの商社から引き合いがありますが、インドRoHSへの対応が必要でしょうか。

回答

インドRoHSの対象製品は別表1に記載されていますが、「ITおよび通信機器(コンピュータやプリンタなど17品目)」および「消費者向け電気電子製品(テレビセットや冷蔵庫など5品目)です。
工作機械に取り付けるセンサーと制御機器は、別表1に収載されている品目に該当しませんので、インドRoHSの対象外と判断できます。

インドRoHS(the E-Waste(Management) Rules, 2016)は、2016年10月1日に改正施行されました。(*1)

1.対象製品

対象製品は、第5条で別表1に掲載されている電気電子機器としています。別表1には、IT及び通信機機器の16品目と消費者向け電気電子機器の5品目が特定されています。

i. ITおよび通信機器

ITEW1. メインフレーム、ミニコンピュータ

ITEW2. 個人用コンピュータ:

ITEW3. パソコン(入出力装置付きCPU)

ITEW4. ラップトップ型コンピュータ(入出力装置付きCPU)

ITEW5. ノートブック型コンピュータ

ITEW6. ノートパッド・コンピュータ

ITEW7. カートリッジを含むプリンタ

ITEW8. コピー機

ITEW9. 電気電子タイプライタ

ITEW10. ユーザー端末およびシステム

ITEW11. ファックス

ITEW12. テレックス

ITEW13. 電話

ITEW14. 公衆電話

ITEW15. コードレス電話

ITEW16. 携帯電話

ITEW17. 留守番電話

ii. 消費者向け電気電子製品

CEEW1. テレビセット(液晶およびLEDのものを含む)

CEEW2. 冷蔵庫

CEEW3. 洗濯機

CEEW4. エアコン(中央空調機器は除く)

CEEW5. 蛍光灯と 他の水銀を含むランプ

用途の除外は、附属書IIIにEu RoHS指令に類似の内容で収載されています。
特定有害物質は第16条で以下を規定しています。

  1. 鉛 (0.1 %)
  2. 水銀 (0.1 %)
  3. カドミウム(0.01 %)
  4. 六価クロム (0.1 %)
  5. Polybrominated biphenyls (PBB) (0.1 %)
  6. Polybrominated diphenyl ethers (PBDE) (0.1 %)

2.貴社製品の該非

対象製品は、第5条で別表1に掲載された電気電子機器です。貴社製品は産業機械関連製品、「IT及び通信機器」「消費者向け電気電子機器」には該当しないと思われます。
今後、貴社がビジネスを拡大して、様々な製品を輸出することが想定されていようであれば、次の第2条(適用)を念頭におかれることをお勧めします。

本規則は、別表1の掲載される廃電気電子機器または電気電子機器(それらを機能させるためのコンポーネント、消耗品、部品およびスペアパーツを含む)の製造や販売、譲渡、購入、収集、保管および処理に携わるすべての製造者、生産者、消費者、大口消費者、販売者、オンライン販売者、修理業者、解体業者およびリサイクル業者に適用される。

3.注意点

生産者(輸入者)は、第5条(生産者の責任)で、拡大生産者責任を負います。責任は生産、販売する電気電子機器について回収スキームに加入し、預託金の支払いなどを行います。
拡大生産者責任により、EN50419のマークキング(the Crossed out wheeled bin)と同一マーキングが要求されます。

EU WEEE指令対応としてEN50419のマークキングをEU向け以外製品の銘板に印刷している事例が散見されます。この場合、EU WEEE指令対応のマーキングがインドの拡大生産者責任のマーキングととられる誤解を与える懸念があります。
ただ、経営リスク回避の観点で、EU 向けとインド向けは別管理が必要に思えます。

引用情報等:

回答者

中小企業診断士 松浦 徹也

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