明らかに何かを探しているとき
価格を調べはじめたとき
これらはお客さまが商品に興味を示し、欲求に変わるシグナルです。何とか買ってもらおう、知っている商品知識を、すべて聞いてもらおうと考えるのではなく、このシグナルを見逃さずに、「お客さまの困っていること、悩んでいることを解消させてください」という気持ちで接客することにより、お客さまの心が開け、販売員との良い信頼関係が築けます。
このアプローチからクロージングまでのポイントをまとめると以下のようになります。
アプローチの際の「お声掛け」の言葉は大変重要です。 お客さまがわざわざ来店しているのは何らかの不満、不便、不快を解消しようとしていることを思い出してください。
「お客さま、お持ちの靴でなにかご不便があるのですか?」 もしくは「お靴で何かお困りですか?」 と困っている人を助けるように優しく「お声掛け」してください。
お客さまは「今度海外旅行に行くのだけど、服に合う靴がないので・・・」とか「実は親戚の就職祝いでちょっと下見に・・・」などと応えてくれます。
「困っていること」を解消してくれるかも知れないという助け舟にお客さまの心が開くからです。
そして、この「お声掛け」によって、お客さまのおおよその欲求がつかめるのです。しかし、まだこの段階では、「具体的」にどのような靴を欲しいのかお客さまにもわからないのです。
そこで、お客さまの欲求を「具体的」にしていきます。海外旅行へ行くお客さまには、いつ、どこへ行き、どのような時に履くのか、どのような服に合わせたいのか、そして予算はどのくらいか、といったお客さまの欲求をより「具体的にする」質問をします。
すると、「夏に娘と一緒に韓国に行くのですが、買い物が好きなので疲れない靴が欲しい」「Tシャツなどカジュアルな服で歩きたい」などとお客さまの具体的なお応えが返ってきます。質問により大分欲求が具体的になってきました。
ですが、ここですぐに「それではこの商品がとても適していますよ」などと売り込むのは少し待ちましょう。お客さまの「欲求確認」と「アドバイス」が必要だからです。
「それでは一日中はいても疲れない軽くてスポーティーな靴はいかがですか」。そして「海外旅行ですとお荷物が多いですよね」「出来れば色々な服に合わせやすいほうが良いですよね」とお客さまが「気の付かない点」をアドバイスしながら商品をお見せします。
「そうね、これなら履き心地も良さそうだし、スニーカーと違って外出着にも合いそう」と、この靴によって「苦痛の解消」が出来ることを「お客さまご自身に語ってもらう」ことが大切です。
そして、ここで初めて商品の特徴を説明します。
「実はこの靴鹿皮を使っているのでとっても軽いのですよ。」
「靴底は特殊な素材で出来ているので歩きやすくて疲れません。」
「おまけに蒸れない加工が内側に施されているので夏にはぴったりです。」
「デザインもカジュアルだけでなくおしゃれなパンツにもぴったり合いますよ。」とお客さまにとって必要な「靴の特徴やメリット」を説明します。
お客さまは一般的な靴の特徴ではなく、自分が求めている欲求(不の解消)を満たしてくれるメリット(商品)であるため購入するのです。
さて、もうすぐ4月。気持ちを新たに、先に提示したアプローチからクロージングのポイントをあらためて確認しながら、是非、接客にお役立てください。