同行営業するだけで何も教えてもらえない。
優良顧客はベテラン社員が担当し、若手社員は売上を上げにくい仕組みになっている。
こうした点を考慮しながら、効果を得られるための育成手順を、以下に示します。
【効果を得るための育成手順】
1.会社が期待する人材像を明示する
会社としてどのような人材に育ってほしいのか、明確に伝える必要があります。これは教える側のベテラン社員、教えられる側の若手社員の双方に必要です。この部分が曖昧であると、双方の到達目標が一致せず、意思疎通にも影響します。
2.育成課題を明確にする
会社が期待する人材像が明確になれば、現状からそこに至るまでのギャップも分かり、課題を認識することができます。課題についても、ベテラン社員と若手社員で一緒に話し合い、共通認識を持つことが有効となります。
3.課題をクリアするための環境整備を行う
人材育成は、教える側と教えられる側の当事者だけで行うべきではありません。企業自らも積極的に課題をクリアするための環境整備を行い、関与していく必要があります。環境整備の具体例としては、以下の方法が考えられます。
(1)教えることに対する評価を適切に行う
教える側の営業ノルマが変わらなければ、ノルマ達成が優先され、教育は二の次になってしまいます。もちろん短期的な売上も重要ですが、人材育成は中・長期的なものとなるため、評価は区分して考える必要があります。場合によっては、ベテラン社員の担当顧客を若手社員に一部割り振るなどして、ベテラン社員の負荷を軽減することも有効です。
(2)小さくても成果に対する評価は適切に行う
若手社員には、小さな成功体験を数多く積ませ、大きな自信に結びつくよう配慮することも必要です。具体的には、売上規模でなく新規の受注獲得件数を評価するなど、ベテラン社員とは違った尺度での評価も必要となります。
(3)教える側のローテーションを行う
ベテラン社員といえども万能ではありません。また、営業手法は同じ会社であっても十人十色です。若手社員にさまざまな人の営業手法を学ばせることが、自分の営業スタイルを早期に確立することにもつながります。また、教える側にとっても、育成の全責任を負うという重圧が軽減されます。
人材育成の過程においては、この他にもさまざまな問題が発生すると考えられます。しかし、人材育成を当事者だけに任せるのではなく、会社も積極的にサポートするという姿勢を示すことで、ベテラン社員と若手社員の双方にとっても意欲の向上につながります。