トピックス・コラム

拡大を続けるゲーム市場 ~成長が期待されるeスポーツ~

2020年 4月 16日

1983年7月に任天堂がファミリーコンピュータを発売してから間もない頃、ファミリーコンピュータ、通称ファミコンを持つ友人宅では、子供たちがじゃんけんやゲームの勝敗など仲間内のルールによって代わる代わるコントローラーを手に取り夢中になって遊ぶ姿がみられました。そして、ファミコンの発売から30年以上が経った現在では、当時の子供達が大人になり、親子でゲームを楽しむ光景や、電車の中、カフェでスマートフォンのアプリゲームを楽しむビジネスパーソンの姿がみられるようになりました。

また、ゲームは、娯楽の枠を超えてスポーツとしても認知されはじめています。2018年のユーキャン新語・流行語大賞のトップテンにはゲームを用いた競技を指す「eスポーツ」が選ばれ、(※1) 他にもテレビ番組や新聞、雑誌の記事で「eスポーツ」という言葉に触れるようなりました。

そこで、本レポートではゲーム業界について、直近のデータによる国内ゲーム人口と2014年から2018年の5年間の国内ゲーム市場規模の推移、そして、関心を集めるeスポーツに関する動きに着目しました。

国内ゲーム人口は、2018年で4,911万人と推計されており、特に、アプリゲームユーザーが国内ゲーム人口の大半を占めます<図1>。また、2018年の国内ゲーム市場は、1兆6,704億円といわれており、中でもスマートフォン、タブレット向けに提供されるゲームと、パソコン向けのインターネットを経由して離れた地域の人と連携したり、対戦できるオンラインゲームが含まれるオンラインプラットフォーム市場が、1兆2,361億円と、国内市場のほとんどを占めました。(※2) さらに、2014年から2018年の5年間の国内ゲーム市場の推移をみますと、家庭用ハード、ソフトは、増減する一方で、オンラインプラットフォーム市場は増加を続けており<図2>、さらに、オンラインプラットフォーム市場の増加率に着目しますと、2014年は、7,886億円でしたので、(※3) ここ5年間で約1.6倍に増えた計算になります。

オンラインプラットフォーム市場が大きくなった理由には、スマートフォンやタブレット等で提供されるゲームアプリ市場の増加があげられます。ゲームアプリ市場の5年間の推移をみますと、2014年は7,154億円だったものが、2015年は、9,283億円、2017年には1兆円を超え、直近のデータとなる2018年は、1兆1,660億円になりました。(※4)

さて、ゲームアプリ市場は、どのような要因によって増加したのでしょうか?

要因としては、スマートフォン、タブレット等によるゲームの利用者数の増加、ゲームアプリの充実による1人あたりのゲームのダウンロード数が増加した等が考えられますが、本レポートでは、利用者数の増加に着目します。

まず、スマートフォン、タブレット等によるゲームの利用者数については、消費者庁の第20回インターネット消費者取引連絡会の「スマホゲームの動向」(※5) で2016年に行われたアンケート調査によると、スマートフォンの利用者のうち、スマホゲームで遊んだ経験者は、68.9%という結果になりました。

続いて、スマートフォンの利用者の推移について、総務省の「平成30年通信利用動向調査」(※6) の個人でのスマートフォンの保有率をみますと、2014年には5割を下回っていましたが、年々増加し続け、2017年以降は6割を超えました<図3>。

これらの結果より、スマートフォンを持つ一定割合の人がゲームアプリの利用者となり、スマートフォンの保有率も上昇している影響もあって、ゲームアプリ市場が増加したと考えられます。

また、こうしたゲームアプリ市場の増加をビジネスチャンスと捉えた各社から有償無償を問わず様々なスマホゲームのアプリケーションが提供されるようになりました。中でも2016年にサービスが開始された「ポケモンGO」は大ヒットとなりました。「ポケモンGO」は、スマートフォンやタブレット端末の位置情報を使い、家の中だけではなく、外で遊ぶ特徴を持ち、シンプルな操作性や有名キャラクターの人気もあって、子供から大人まで幅広い層がポケモンに夢中になる姿が報じられました。

また、全国各地でイベントが開催され、2017年11月に鳥取県で開催されたイベント「Pokémon GO Safari Zone in 鳥取砂丘」(※7) では、参加者が約12万人に上り、約24億円の経済効果があったといわれています。さらに、2020年1月には、東京都で「東京eスポーツフェスタ」(※8) が開催され、イベントの中で「ポケモンGO」によるeスポーツ大会が行われました。

eスポーツとは、「パーソナルコンピューター(PC)ゲーム、家庭用ゲーム、モバイルゲームを用いて行う競技」(※9) で、米国、中国など世界各国で大会が開催されています。また、著名なゲームソフトの世界大会ともなると、1度の大会における賞金総額は億円単位にもおよび、各国からプロ選手が参加して大会を盛り上げています。

一方、国内では、東京都や大阪府を中心に全国各地で大会が行われており、2019年10月5日には茨城県で、全国で初となる都道府県対抗選手権(※10) が開催され、全国から予選を勝ち抜いた約600人が参加したと報じられました。

また、国内のeスポーツの市場規模は、2019年は前年度の約48億円を上回る約61億円とみられ、(※11) 市場規模の内訳は、企業などによるチームや大会へのスポンサー料や広告費の割合が全体の約8割を占めます。

eスポーツは、スポンサー等の収益の他にも、eスポーツに対応した専用パソコンやコントローラー等の周辺機器や大会開催地での観光需要など他の産業への経済効果があるとみられており、(※12) 今後の成長が期待されます。

本レポートは、情報提供を目的としており、作成日時点で信頼出来ると思われる情報に基づいて作成しているため、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。