第160回中小企業景況調査(2020年4‐6月期)のポイント

2020年 7月 31日

中小企業の業況感は過去最低、下げ幅も過去最大となった

2020年4‐6月期 業況判断DIの図

※業況判断DI:前期(2020年1‐3月期)と比べて、【好転】、【不変】、【悪化】の3択で質問し、【好転】割合から【悪化】割合を差し引きし、季節調整を行った値。

今期の中小企業の業況判断DIは、前期より39.7ポイント低下のマイナス64.1。 
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、中小企業の業況感は過去最低となり、下げ幅も過去最大となった。【報告書P.12 1‐(1)全産業より】 

中小企業の人手不足感は急激に弱まった

2020年4‐6月期 従業員数過不足DIの図

※従業員数過不足DI:今期の水準について、【過剰】、【適正】、【不足】の3択で質問し、【過剰】割合から【適正】割合を差し引きした値。

今期の従業員数過不足DIは、前期より17.0ポイント上昇のマイナス1.1。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、従業員数過不足DIは、過去最大の上げ幅となり、人手不足感は急激に弱まった。【報告書P.15 9.従業員数過不足DIより】

新型コロナウイルス感染症によるマイナスの影響が拡大

「マイナスの影響があった」と回答した企業は、前期1,232件から今期3,654件と約3倍に増加し、全体に占める割合も77%から86%に増加した。また、業種別に見ると 、サービス業が1,438件と最多となった。一方、「マイナスの影響は無かった」と回答した企業が前期に比べて増加した。

2020年4‐6月期 新型コロナウイルス感染症に関するコメントの図

【中小企業景況調査の自由回答(フリーコメント)について】

項目を選択する方式ではなく、業況判断の背景についての感想や意見を自由に記入する方式であることから、回答者自身の言葉には、各企業が抱える課題が表れている。
今期の回答数は、過去最多となった前期の4,073件を大幅に超え、調査が始まって以来最多の 5,038件となり、景況感に対して強い関心が寄せられた。
中でも84%の4,240件が「新型コロナウイルス感染症」に関連するコメントとなった。

  1. 調査時期 2020年6月1日時点
  2. 自由回答数 5,038件
         (参考:2020年 新型コロナウイルス感染症拡大 直後 回答数 4,073件
             2011年 東日本大震災 直後         回答数 3,856件
             2008年 リーマンショック 直後       回答数 2,796件)
  3. 集計方法
     回答があったフリーコメントから、明確に新型コロナウイルス感染症に関連するワードを含んだコメントを抽出し、
     影響の有無と不明なものを分類し、時点を分け、更に、プラスの影響、マイナスの影響、その他に分けて集計した。

     (1)新型コロナウイルス感染症に関連するワード
      新型ウイルス、感染症、緊急事態宣言、自粛、休校、県外移動、テイクアウト、キャンセル、マスク、消毒液 他
     (2) 分類の定義
      1.マイナスの影響があった
       自社への影響を明言又は実感を伴う表現等
      2.今後マイナスの影響がある(予測を含む)
       自社への影響を事前把握、予測、又は、景気を不安視する表現等
      3.マイナスの影響は無かった
       自社への影響が無いことを明言、又は、特需等良い影響があった表現等
お問い合わせ先

中小機構 企画部調査課  
  担当 山崎、谷井、大竹
   TEL 03-5470-1521

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