経営ハンドブック

公的支援の受け方

低金利の融資や共済で資金繰りを楽にする

金利の低い公的機関の融資を受けたり、助成金や補助金で資金を手当てできたりすれば、金融機関からの借り入れを減らすことができ、資金繰りの改善にもつながる日本政策金融公庫の融資には、無担保・無保証人というタイプも登場している。

資金繰りを改善する公的支援の活用法

  1. 低金利の融資を利用する
  2. 共済で資金調達できる
  3. 助成金や補助金を申請する

1.低金利の融資を利用する

公的機関による融資では、日本政策金融公庫が挙げられる。

国民生活事業と中小企業事業がある。違いは、国民生活事業は個人企業や小規模企業に向けた小口資金を融資しており、平均額は約700万円。短期の運転資金も扱っている。中小企業事業は、中小企業向けの長期事業資金を扱っており、平均融資額は約1億円。短期の運転資金は扱わない。

中小企業事業には、例えば、IT活用や海外展開、雇用促進を対象にする企業活力強化貸付、経営多角化や事業転換を支援する新企業育成貸付、売り上げの減少に対応するセーフティ貸付といったメニューに加え、商工会議所や商工会で経営指導を受けている会社が無担保・無保証人で利用できる「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」もある。

また、自治体でも低金利の制度融資を設けている。自治体によっては、信用保証協会の保証料や金融機関の利息の一部を補助する制度が用意されていることもある。窓口は、金融機関に問い合わせれば分かる。

2.共済で資金調達できる

中小企業基盤整備機構が用意する共済制度に加入していると、いざというときの資金調達の手段として利用できる。

小規模事業者が廃業した場合に積み立ての掛金に応じた共済金を受け取ることができる「小規模企業共済」では、積み立てている金額の範囲内(10万円以上2,000万円以内)で借り入れが可能だ。

取引先事業者が倒産した際に中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐ「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」にも、一時貸付金の制度がある。取引先事業者が倒産していなくても、共済契約者の方が臨時に事業資金を必要とする場合に解約手当金の95%を上限として借り入れできる。

3.助成金や補助金を申請する。

要件を満たしていれば認められる補助金や助成金を活用すれば、設備投資や人材育成などに必要資金すべてを金融機関からの借り入れで賄わなくても済む。

中小企業基盤整備機構の「支援情報ヘッドライン」では、各省庁や都道府県庁、支援センターなどの公的機関のウェブサイトに発表されている情報を収集し、リンク情報として紹介している。地域、利用目的、支援制度などを選択したり、フリーワードを入力したりすることで該当の情報を探し出せる。

中小企業庁「ミラサポ~未来の企業★応援サイト」でも、「補助金・助成金」の情報を確認することができる。

厚生労働省系の雇用関係助成金については、社労士に相談する。雇用契約や社内規則といった社内の体制を整えておかなければないためだ。一方、補助金は事業計画の作成や財務諸表の提出などが必要になるので、税理士や中小企業診断士に相談するといい。

企業が助成金・補助金を活用する資金面の主なメリット

資金不足が解消される

企業は助成金・補助金を活用することで、安全に経営に必要な資金を調達することができる。例えば、優れたアイデアや技術力はあるが製品化のための資金が不足している企業の場合、助成金・補助金を活用して開発資金などの調達を行うことで、製品化が可能になる。

対外的な信用力が高まる

企業が助成金・補助金の受給を申請した場合、国や都道府県などの助成金・補助金を所管する機関は企業の事業計画や将来性などに関する審査を行う。助成金・補助金を受ける企業はそうした審査基準をクリアしたということであり、ある意味では国や都道府県から「お墨付き」をもらったことになる。これが、取引先や金融機関など外部からの信用につながることもある。

さまざまな経営支援が受けられる

国や都道府県などの助成金・補助金を所管する機関が企業を支援する目的は、企業が助成金・補助金を活用し、成果を上げることだ。そのため、国や都道府県などでは助成金・補助金を受ける企業が成果を上げられるように、専門家による無料の経営診断や販路開拓のコンサルティングを行うなど、経営面の支援を行っている場合がある。