2021年12月22日
社員7人、創業30年の食品製造業を経営しています。令和3年6月1日から、原則、HACCPに沿った衛生管理の実施が義務付けられることについて、どのような点を考慮したら良いか教えてください。
回答
厚生労働省のホームページでは、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書を「業態別」に公開しています。こちらの手引書を参考にHACCPの7原則12手順に従って対応を進めてください。
あわせて、保健所等の食品衛生監視員が監視指導時に使用する「食品衛生監視票」もHACCPの考え方を取り入れた様式に変更となり、どういった視点で指導しているか確認していただくと参考になります。監視指導を受けると、自治体によっては「HACCPに沿った衛生管理実施の証明書」を発行していますので、第三者認証を受けない場合には、客観的な証明書として利用できます。
HACCPへの取り組み方は大きく2つにわけることができます。
|
|
HACCPに基づく衛生管理 |
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理 |
|---|---|---|
|
対象事業者 |
大規模事業者 |
小規模な営業者等 |
|
衛生管理方法 |
HACCP7原則に基づき、食品等事業者自らが作成、管理を行う |
各業界団体が作成する手引書を参考に簡略化された管理を行う |
HACCP7原則に基づく場合
まずは、手順の確認をしましょう。以下の12手順に沿って進めていくと7原則を網羅しながら取り組むことができます。
手順1
みんなで話し合います。
製品のすべての情報が集約できるように各部門の担当者が参加できる体制を整えましょう。
手順2
自分たちが作っている商品がどんなものかを書き出します。
-
製品の名称及び種類
原材料の名称、添加物の名称
製品の特性
包装形態、単位、量
容器包装の材質
消費期限もしくは賞味期限、保存方法
手順3
商品の対象者やどのように食べられるものなのかを書き出します。
-
対象者:一般の消費者・病人・乳幼児・高齢者など
どのように食べられるのか:加熱する・そのままなど
手順4
商品の作り方を書きます。一連の流れを主原料やそれ以外の原料、包装資材など使用するものごとにそれぞれの担当者が書き出します。温度や時間など管理が必要なものもこの時に盛り込むことができるといいでしょう。
-
原材料の受け入れ保管製造・加工包装出荷
手順5
手順4で作った製造工程や図を現場で確認して、間違っている場合は修正します。
一手間ですがこのチェックをすることで、実際の現場で起きていることがわかる大切な手順です。手順6:原則1
製造工程ごとにどのような危害要因が潜んでいるか考えます。
危害要因とは、健康に悪影響をもたらす原因になるものをさします。有害な微生物以外にも、化学物質や硬質異物など考えられるものは全てあげます。手順7:原則2
健康被害を防止するうえで特に厳重に管理しなければならない工程を見つけます。
これが「CCP(重要管理点)」の部分にあたります。
原材料や製造環境に由来し、健康被害を引き起こす可能性のある危害要因を要望や除去、低減するための工程はどこなのか見極めましょう。手順8:原則3
手順7で決めた工程を管理するための基準を決めます。
基準は色や形状、数値などで設定します。この基準を達成しないと安全の確保ができなくなります。
手順9:原則4
手順8で決めた基準が常に達成されているかを確認します。
オーブンや殺菌槽などの温度と時間や冷却装置の温度、金属探知機の精度などの他、目視による確認でも可能です。
手順10:原則5
工程中に問題点が発生した場合、修正できるように事前に改善方法を決めておきます。
改善した記録残し、時に見直すことでクレームの減少にも役立てることができます。
手順11:原則6
定期的にここまでのプランが有効に機能しているかの見直しを行います。
重要や工程の記録を確認することや問題が起きた時の改善措置など適正に実施されているか確認してみることが大切です。手順12:原則7
各工程の管理状況を記録します。
HACCPを実施した証拠であるだけでなく、記録を見直すことで今後の改善や、問題が起きた時の原因追及の手助けとなります。
詳しくは、厚生労働省が特設ページを開設し、HACCPにかかわる情報を取りまとめていますので、以下のWebページをご参考にされてください。
出典:厚生労働省
- 回答者
-
中小企業診断士 三海 泰良
page
top

