上記の検討結果から、建築可能な建物を具体化するなどCREの活用法についてイメージを膨らませる
そのイメージを具現化できる適切なプロに相談する。建物を建てて売る・貸すといったイメージであれば、想定される顧客とリレーションを持つプロが望ましい
上記の1〜4を実施したことで、より大きな効果につながった事例はいくつもあります。
例えば、築40年超の本社ビルを使用していたある企業は、度重なる仲介業者やゼネコンからの提案には乗らずにいましたが、外壁タイルの落下事故を受けてCREの見直しを決断しました。自社で初期調査やデータ収集を行った上で適切なプロに相談したところ、会社機能は賃貸オフィスに移転した上で、本社ビルは解体して賃貸マンションを建築。大手不動産会社とのサブリース契約を締結後に投資家に売却するという選択をしました。その結果、当初仲介業者から提示されていた金額を十数億円上回るキャッシュを得ることができました。
また、月極駐車場として貸し続けていた土地のさらなる有効活用を考えた企業が、募集要件を整えて入札を実施した結果、土地貸しのままで駐車場のおよそ4.5倍の賃料を得られたという事例もあります。この企業は事前に「建物を建てる資金はない」という前提条件を明確にした上での入札になりましたから、コストやリスクは最小限に抑えた上で、年間数千万円、賃貸期間全体では数十億円の収益アップを実現したことになります。
繰り返しになりますが、まずは自社内で今あるCREの課題および可能性と真剣に向き合ってみること。それがCREの見直し効果を最大化するための必須条件といえます。
最終的には適切なプロへ相談を。パートナー選びに欠かせない条件とは
その上で、CREの見直しには、複数の法律にまたがる専門的な知識と豊富な実践経験が必要になります。自社での検討後は、適切なプロに相談することが欠かせません。パートナーとしての条件は、「売買仲介だけではなく賃貸借仲介や土地の有効活用を含めた不動産取引の豊富な実務経験を持つこと」「企業の財務や資産運用に関するコンサル経験があって企業経営側の視点を持てること」「提案を具現化できる豊富なネットワークがあること」などが挙げられます。
昔から「タダより高いものはない」と言うように、コスト面、リソース面を含め自社にとって負担の少ない提案に飛びつくのはおすすめしません。長年地域に根差して事業を展開されていれば、真に善意で声をかけてくれる方もいらっしゃると思いますが、そのような方であっても貴社のCRE戦略を進める上でのベストパートナーになり得るかはまた別の話だと思います。「コストに見合う効果が期待できるか」という視点で信頼できるパートナーを選択する。これが各社にとって最適なCRE戦略を立てるための近道になりそうです。