近年、情報化の進展に伴い、中小企業においてもパソコンだけではなくサーバー(さまざまな機能などを提供する側のコンピュータ)の導入も一般化しつつあります。さらにサーバーの種類も多様化しているため、用途や目的に応じて選ぶことがポイントになってきています。
【サーバー】
サーバーとは、データを共有したり、さまざまな機能を各ユーザーのパソコンに提供したりするために使われるコンピュータのことを指します。ファイルサーバーやウェブサーバーなどが典型的な例で、多くのユーザーが同時に使用したりするものです。そのため、多くのユーザーから要求される処理をスムーズかつ安定的にこなす能力が重視されます。
【選択基準】
サーバーを購入する際の選択基準は、主に以下のものがあげられます。
(1)筐体形状
サーバーの形状については、表1に示したように大きく2つに分類されます。
表1 サーバーの形状
| 形状 |
設置場所 |
特徴 |
| ラックマウント型 |
19インチラック内に設置する |
サーバーの数が多い場合に整理しやすい |
| タワー型 |
床上や机上に設置する |
普通のパソコンのように設置しやすい |
筐体形状は、設置場所の状況などによって選択します。
(2)OS(Operating System:基本ソフトウェア)
OSとは、コンピュータ全体を管理する基本的なソフトウェアのことです。表2の2つが代表例です。
表2 OSの種類
| 種類 |
主な用途 |
特徴 |
| Microsoft社のWindows系OS |
ファイルサーバーなどの社内サーバーなどに使われている |
普及しているWindowsシリーズなので比較的扱いやすい |
| Linux系OS |
基幹業務やインターネット関連サーバーなどに使われている |
比較的安価なものが多い |
それぞれサーバー用のOSが設定されていますので、用途や目的のほかに、利便性やスキル、コストなども考慮して選択します。
(3)パーツ構成
サーバーのパーツ構成については、大きくは表3のように分類されます。
表3 サーバーのパーツ構成
| 種類 |
説明 |
特徴 |
| CPU性能 |
処理速度に関係します。 |
性能が高いほど、処理性能が高くなります。 2つ以上付けることで、負荷に強くなります。 |
| メモリ容量 |
一度に作業できる量に関係します。 |
容量が大きいほど、処理速度が速くなり、安定性も増します。 |
| ハードディスク容量 |
保存できるデータ量に関係します。 |
容量が大きいほど、より多くのデータを保存できます。 |
それぞれ性能が高くなるに従い、コストも高くなるので、用途や目的に応じて適切に選択します。
(4)安全装置
サーバーには、安全性や安定性が求められるので、表4のものについても併せて検討します。
表4 安全装置の種類の検討項目
| 種類 |
ポイント |
| 冗長化 |
電源やハードディスクなどを二重化すると、一方が故障しても継続してサーバーの利用が可能になります。 |
| バックアップ |
もしもサーバーが壊れても、データを元の状態に復元することが可能になります。 |
| セキュリティ |
ハードディスクなどの記憶装置や、モニターやキーボードなどの入出力装置など、容易に着脱したり触ったりできないように、鍵などが付けられるとよいでしょう。 |
これらも装置の機能に応じて、コストも高くなるので、用途や目的に応じて適切に選択します。
【用途別・目的別ポイント】
前述のとおり、すべての項目をよりよいものにすると、コストはより高価になっていきます。よって、用途や目的に応じて構成内容を変えることで、必要最低限のコストに抑えます。たとえば、用途や目的に応じて、表5のような考え方を目安にするとよいでしょう。
表5 用途・目的別の安全装置検討のポイント
| 用途・目的 |
ポイント |
| 社内のファイルサーバーなど |
|
| インターネットの公開サーバーなど |
|
| データベースサーバーなど |
- CPU性能の増強
- メモリ容量の増強
- ハードディスク容量の増強
- ハードディスクの二重化
|
【留意点】
近年コンピュータの進化のスピードは著しく、数年経過すれば機能面でかなり見劣りがするなど、陳腐化リスクが高まりつつあります。このリスクを最小限にするためには、目的に応じた必要最低限のスペックを選択した方がよいと言えます。
また購入方法も、一括購入のほかにリースやレンタルを検討することで、陳腐化リスクを最小限に抑えることも可能となります。
いずれにしても、まずは必要なサーバーごとの用途や目的を明確にすることが大切です。