回答
風水害への対応体制は事業資産と情報資産の両面から検討します。情報資産については、被害を最小化するためのディザスター・リカバリー計画を立てることをお勧めします。目標復旧時間と目標復旧地点を明確にして、適当な対応体制を構築します。
企業として保護しなければならない資産には、事業資産と情報資産があります。貴社は情報サービス業を行っているとのことから、主に情報資産に対する風水害への対応体制の構築についてお答えします。
なお、風水害対応体制といっても、その上位には会社の防災に対する基本方針、事業継続計画(略称:BCP)、情報セキュリティマネジメントシステム(略称:ISMS)などがあります。これらと整合をとって風水害への対応体制を検討するようにしてください。
【事業資産への対応】
風水害に対する情報資産の保護といっても、先ずは事業資産を保護することが基本です。建物、部屋、設備等に基本的な風水害対策や準備を行います。具体的には以下によります。
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建物の屋根、ガラス窓の補強、建物・部屋の床の底上げを行っておく。必要に応じ、防水壁、防水扉などを設置する。非常時に備えて、防水シート、土嚢などを準備する。その他
【情報資産への対応】
風水害に対して、情報資産の被害を最小化し、迅速に復旧する体制を作ることをディザスター・リカバリーといいます。以下に、簡単に解説します。
1.ディザスター・リカバリー計画
被災時の損失、および復旧に要する時間やコストを必要レベル以下とするための機能とコストを検討し、ディザスター・リカバリー計画を策定します。
その場合の指標となるのが、目標復旧地点(略称:RPO)と目標復旧時間(略称:RTO)です。RPOはデータ損失の最大許容範囲、RTOはオペレーションを復活させるまでの最長許容時間です。
図1 目標復旧地点(RPO)と目標復旧時間(RTO) 2.ディザスター・リカバリーの手法
おおむね、以下の3種類に分類できます。必要とするRPO、RTOとコストなどから、どの手法を採用するかを検討します。
(1)データベースのデータバックアップ(遠隔地での保管)
データを保存した媒体(ディスク、テープなど)を遠隔地に保管することです。簡単で確実にデータが保護できます。しかしながら、RPOやRTOは日や週単位になってしまいます。
(2)レプリケーションによる遠隔地でのバックアップ
ネットワーク経由でデータを遠隔地の拠点に複製して保管することです。ネットワークで接続されているため、RPOは分や秒単位、RTOは時間や日単位と短くできます。
(3)レプリケーションに加えてサイト間フェイルオーバー
前出の(2)のレプリケーションに加えて、サイト間をまたがってフェイルオーバーする仕組みです。なお、フェイルオーバーとは、サーバに障害が発生した場合に、代替サーバが処理やデータを引き継ぐ機能のことです。これにより、RPO、RTOは秒や分単位にすることができます。
- 回答者
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中小企業診断士
芳賀 知
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